"ミニサイズ"の新型「ジープ」、日本での勝算 急成長のSUV市場に参戦
SUV(スポーツ多目的車)の代名詞ともいえる米国生まれの「ジープ」。その歴史上最も小さい”ベビー・ジープ”が日本にお目見えした。
欧米自動車大手、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の日本法人、FCAジャパンは9月5日、ジープとして初の小型SUVとなる「ジープ・レネゲード」を発売した。丸いヘッドライトとその間に並ぶ7つのスロットグリルというジープの伝統を受け継ぎつつ、「可愛さも感じられる」(FCAジャパンのポンタス・ヘグストロム社長)デザインが特徴だ。
レネゲードは、これまでのジープをただ小さくしたというわけではない。旧フィアットと旧クライスラーの経営統合で昨年1月に誕生したFCAとして初めて共同開発した車で、いわば統合の象徴ともいえる。プラットフォーム(車台)は小型車を得意とする旧フィアットが主導し、デザインは旧クライスラーのチームが手掛けた。10月にはフィアット側がデザインを手掛けた兄弟車「フィアット500X」も日本で発売される。
日本向けは”イタリア産”
ジープはこれまで、ほとんどが米国で生産される生粋の”アメ車”だった。だが、レネゲードの生産の中心は旧フィアットのイタリア工場で、日本向けも”イタリア産”だ。今年からは米州向けにブラジルの新工場で造り始め、今後は中国の広州汽車とも合弁生産が始まる。ジープの世界販売は2014年に初めて100万台の大台を超しており、変革のただ中での戦略車投入となる。
過去10年ほどの間、ジープは需要に合わせて商品群を広げてきた。オフロード好きが乗る「ラングラー」、ドイツ車からの乗り換えが多い高級車「グランド・チェロキー」、ボリュームゾーンを取り込む中型の「チェロキー」といった具合だ。こうした中、FCA US(旧クライスラー)で内装デザインのバイスプレジデントを務めるクラウス・ブッセ氏は「ラインナップには、若々しさ(Youthful)や 楽しさ(Fun)という部分が欠けていた」と語る。
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