SUVの元祖ジープが"丸くなった"ワケ 中型車「チェロキー」を6年ぶりに全面刷新
日本でも人気が高まっているSUV(スポーツ用多目的車)。その元祖である「ジープ」のミドル(中型)サイズ「チェロキー」が6年ぶりにフルモデルチェンジした。5月17日から販売される。
ジープは、今年1月にフィアットと経営統合した米ビッグスリーの一角、クライスラーの主力ブランド。日本ではすっかり影を潜めてしまったいわゆる「アメ車」だが、ジープはここ数年販売を伸ばしている唯一のメーカーだ。
同じ米国メーカーのブランドの販売台数を見ると、ゼネラル・モーターズ(GM)の「シボレー」や「キャデラック」がそれぞれ年間1000台強、フォード・モーターの「フォード」は同約4000台。ここ数年は大きな変化はなく、伸び悩んでいる。
一方、ジープは2009年の約1000台から2013年に5000台弱まで伸びた。フィアットクライスラージャパンのポンタス・ヘグストロム社長は「今年は(昨年比1.6倍の)8000台を目指す」と意気込む。そのカギとなるのが今回の新型チェロキーだ。
角張ったデザインを変更
旧モデルとの大きな変更点はデザインにある。
新型チェロキーは従来の角張ったデザインから丸みを帯びた形になった。「トラック的なデザインから、一般的な乗用車に近い構造にすることで、効率の良い走りを可能にした」と、クライスラーでジープブランドのデザイン責任者を務めるマーク・アレン氏は語る。「私としては既存のデザインを変更し、長続きするものにしたかった。(本社の)セルジオ・マルキオーネCEOがわれわれの案から最も先鋭的なものを選んだ」。
車のサイズは同じジープブランドの大型車「ラングラー」や高級モデル「グランドチェロキー」に比べてコンパクト。価格は379万800円~461万1600円。エントリーモデルは2.4リットルの直列4気筒エンジンで前輪駆動、上位モデル「チェロキートレイルホーク」は3.2リットルV型6気筒エンジンで4輪駆動だ。また、クライスラーグループとしては初めて全モデルに9速オートマチックトランスミッションを採用し、強い加速と滑らかな高速走行を実現した。
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