BMW、高級小型車で日本市場を攻める 「MINI」「2シリーズ」の新モデル投入

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独BMWが「プレミアム・コンパクトカー(高級小型車)」に力を入れている。同社は「MINI」ブランドのハッチバック車を7年ぶりに刷新し、4月12日に発売する。MINIは現在日本で7車種を展開しており、ハッチバック車はこのうち販売台数の3割強を占めるモデルだ。価格は266万円から。

MINIのようなプレミアム・コンパクトカーは、高級モデルの質感や走行性能を受け継ぎつつ、比較的小型で価格が抑えられており、日本市場でも人気のジャンルだ。

新型MINIは全体的なデザインは従来のMINIの特徴を踏襲した形になっているが、新開発のターボエンジンを採用し、販売の大半を占めるAT(オートマチックトランスミッション)車を中心に燃費を向上させた。1.5リットルの3気筒エンジンを搭載した「クーパー」は、従来比約2割改善した1リットルあたり17.9キロメートルだ。

2.0リットルの4気筒エンジンを積んだ上位モデル「クーパーS」は、従来比約3割改善した同17.6キロメートルとなった。燃費基準を達成したことで、従来マニュアル車のみだったエコカー減税対象が今回新たにAT車にも広がった。

国産車からの乗り換えが5割

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MINIのダッシュボード周り

国産車には続々と搭載されている自動ブレーキも今回新たに装備した。後方の障害物などをディスプレーに表示するカメラや、このカメラを利用した駐車支援機能もそろえている。

昨年のMINIの国内販売台数は約1万7000台と3年連続で過去最高を記録。モデル末期にもかかわらず、販売を伸ばしている。「2013年の台数が前年比で伸びたのは英国と中国、そして日本だけだ」(BMWジャパンのアラン・ハリス社長)。

販売の伸びを支えるのが、国産車から乗り換える顧客だ。MINIシリーズ全体の販売のうち、国産車から乗り換えたユーザーが約5割を占める。

新規顧客の呼び込みを強化すべく、ディーラー網の拡充にも精を出す。来月初めには横浜・みなとみらいに新たなコンセプトを取り入れた大型店を開き、今後は地方都市の開拓も進めるという。MINIディビジョン本部長のフランソワ・ロカ氏は「1~2年のうちに現在の114店舗から1割を増やす。新型MINIの投入を追い風に、今年も過去最高の更新を目指す」と意気込む。

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