スズキとマツダ、マイルドHVに懸ける理由 減速時に発電する技術を活用
スズキとマツダが、ハイブリッド車(HV)の開発に力を入れている。といっても、トヨタ自動車やホンダが先行する、大容量・高出力バッテリーを搭載したモーター単独でも走行できるタイプのHVではない。マイルドHV、あるいはマイクロHVと呼ばれるものだ。
スズキが開発しているのは、同社が低燃費化技術として投入している減速エネルギー回生システム「エネチャージ」を走行アシストにも利用するというものだ。減速エネルギー回生システムとは、減速時の運動エネルギーを使ってモーターで発電し、その電気をバッテリーに蓄えて再利用する技術。通常、走行中にエンジンで行っている発電が必要なくなるため、燃費が向上する。
エネチャージは、バッテリーに小型リチウムイオン電池を使うことで減速エネルギーの回収効率をアップさせている。2011年に主力軽自動車のワゴンRに採用。現在、主要車種のほとんどに搭載し、いずれもクラストップレベルの燃費性能の実現した。
モーターやバッテリーを高性能化
現在、エネチャージで発電した電気は電装部品の駆動にしか使っておらず、発電量は電装部品の消費電力を10%以上、上回っている。発電用モーターの高出力化など追加開発を行い、走行アシストにも利用するのが、スズキのマイルドHVの仕組みだ。同社は昨年秋の東京モーターショーで公開した小型SUVのコンセプトカー「クロスハイカー」に、このシステムを搭載した。
マツダも、減速エネルギー回生システム「i-ELOOP(アイ・イーループ)」を走行アシストに使う開発を進めている。i-ELOOPは、バッテリーにリチウムイオン電池ではなく電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を用いているが、減速エネルギーを回収して電装品を駆動し、エンジンによる発電を減らすという、スズキのエネチャージと同様の仕組み。こちらもモーターを換装し、キャパシタの容量アップなどにより、走行アシストまで行わせるシステムを検討している。
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