ボルボ、フィアット。息吹き返す「欧州車」 ドイツ車だけじゃない! 個性で勝負、高まる人気

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ドイツ車とはまだ差が大きいものの、ドイツ以外のブランドも健闘している。

中国・吉利グループ傘下にあるスウェーデンの高級車メーカー、ボルボ。1996年をピークに国内販売台数は右肩下がりだったが、ここ数年息を吹き返している。2013年の台数は1万6918台と、前年比約22%増を記録。13年2月に投入した最も小型のモデル「V40」(289万円~)が牽引し、ドイツ車と同じく小型輸入車ブームに乗った。ただ、ヒットのカギはほかにもある。

安全性能にこだわるボルボの並々ならぬ執念

「2020年までにボルボ車での死傷者をゼロにすること」。シートベルトを発明したという同社ならではのグローバル目標であり、安全性能はボルボの最大の売りだ。

09年に日本に投入したSUV「XC60」は、日本で初めて、完全に停止まで行う自動ブレーキを装備した。スバル(富士重工業)の「アイサイト」が火付け役となり、人気上昇中の自動ブレーキだが、先鞭をつけたのはボルボだ。

13年8月に発表したのが、歩行者に加え「走行中の自転車」も検知できるようにした新システム。11月からは、前出の「V40」全車種に標準装備とした。「昨年販売したV40のうち99%に自動ブレーキシステムが搭載されている。購入者の半分は新規顧客だ」(ボルボ・カー・ジャパンの若林敬市コーポレートコミュニケーション部ディレクター)。加えて、同車には世界初の歩行者用エアバッグも搭載。群を抜く安全へのこだわりで、今年も前年超えの販売を目指す。

一方、独特なデザインで人気を集めるのが、イタリアの大手自動車メーカー、フィアットだ。13年の「フィアット」ブランドの国内販売台数は、過去最高の7007台を記録した。牽引役は08年に投入された主力小型車「フィアット500(チンクエチェント)」。一度もモデルチェンジをしていないが、一貫して年4000台以上の販売を維持する。

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