ボルボ、フィアット。息吹き返す「欧州車」 ドイツ車だけじゃない! 個性で勝負、高まる人気

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イタリア仕込みの小型車 フィアットが増殖中

フィアット500は、全長が約3.5メートルと、輸入車の中でも最も小さいクラス。価格は199万円からと、このクラスの車としては少々割高感があるが、「かわいらしくスタイリッシュ、しかも低燃費。一味違うものを求める日本の人々の好みに自然にマッチした」(フィアットクライスラージャパンのポンタス・ヘグストロム社長)。

排気量0.9リットル2気筒ターボエンジンを搭載するモデルは、燃費が1リットル当たり24キロメートルと、国産軽自動車にも匹敵する。

好調な販売を背景に、今年は一気に店舗網を広げる。現在の77という数は、08年以降あまり変化していなかったが、これを94店舗まで引き上げる。ヘグストロム社長は「アフターサービスを充実させつつ、まだリーチできていない地方都市にも販売を広げていく」と意気込む。そのうえで「14年は2ケタ増の販売を目指す」と語る。

非ドイツ勢にとっての大きな課題が認知度の低さ。フィアットは08年に東京・青山で「フィアットカフェ」を開き、輸入車メーカーとしていち早く、ディーラーとは別にブランド発信拠点を設けた。アンテナショップやレストランを併設し、実車も展示する。日本独自の取り組みだ。まずは気軽に「知ってもらう」ことで、その次の購買につなげる。現在ではベンツなども同様の拠点を設けるようになっている。

週刊東洋経済2014年3月8日号

中川 雅博 東洋経済 記者

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なかがわ まさひろ / Masahiro Nakagawa

神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学部英語専攻卒。在学中にアメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。2012年、東洋経済新報社入社。担当領域はIT・ネット、広告、スタートアップ。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど海外企業も取材。これまでの担当業界は航空、自動車、ロボット、工作機械など。長めの休暇が取れるたびに、友人が住む海外の国を旅するのが趣味。宇多田ヒカルの音楽をこよなく愛する。

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