"ミニサイズ"の新型「ジープ」、日本での勝算 急成長のSUV市場に参戦
レネゲードの内装デザインを率いたのは、開発が始まった当時入社したばかりだった24歳のデザイナーだ。「新人を抜擢するのはリスクだったが、純真無垢な感覚を取り入れるためには、メリットのほうが大きかった。もちろん、私やほかのベテランが”クレイジーすぎる”デザインにならないよう軌道修正はした」(ブッセ氏)。レネゲードの内装には、ロボットの目のようなエアコンの吹き出し口、 助手席の正面にある取っ手など、ユニークなデザインが目立つ。
日本はSUV市場が倍増
FCAジャパンのヘグストロム社長は「小型SUVは全世界で強い需要がある。年齢や所得、性別などの点で、これまで以上に幅広い顧客を獲得できる」と日本での展開に自信を見せる。ジープの国内販売台数は2011年から5年連続で過去最高を更新し、2014年には6692台を記録。大型から中型まで各セグメントに車種を展開しており、今回、満を持して小型車を投入する。レネゲードをテコに今年も過去最高の販売を狙う。
国内SUV市場は各メーカーの新車投入で市場が広がっており、追い風も吹く。調査会社IHSオートモーティブによれば、2014年の国内SUV販売は55万0940台(軽自動車を含む)と前年比でほぼ倍増。2000年以降で初めて50万台を超えた。市場拡大を牽引したのが、ホンダの「ヴェゼル」やスズキの「ハスラー」だ。今年2月にはマツダが「CX-3」を発売し、滑り出しは好調。輸入車ではメルセデス・ベンツの「GLAクラス」が人気を博している。
「現在の商品群では最も都市向きのモデル」(ヘグストロム社長)と言うように、レネゲードはこれまでのジープのイメージとは少々異なる。ジープに触れたことのない新たなユーザーをどこまで取り込めるか。
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