アメリカ経済はついに「満月が欠けてきた」
藤野:正直、アメリカ経済は満月が欠けてきた、という印象を受けます。ダウは10月3日に2万6951ドルまで上昇して過去最高値を更新した後、10月29日には2万4122ドルまで下落しました。企業業績はもはや絶好調というわけにはいかない。米中貿易戦争の影響がアメリカ企業にも見られるようになっていて、中国関連企業は業績が悪化し始めています。
とはいえ、一方で業績の下方修正分も織り込みながら、バリュエーションは割安になってきました。正直、下げすぎの水準まで下げたと考えています。一部ではリーマンショックのようなことが起こるのではないかと不安がる人もいるようですが、私はアメリカ景気にやや陰りが見え始めたとはいえ、これから先、破滅的な下げがくるとまでは考えていません。
確かに、メディアを見ると悲観的なコメントが、どこからともなく湧いてくるわけですが、いつの時代も、悲観的な見方をする人はつねに一定数います。なので、そのような人のコメントだけを見て、悲観的になる必要はありません。リーマンショックの再来なんてことにはならないと思います。
中野:全体観は藤野さんと同じです。ニューヨークダウは夏から急ピッチで上げすぎたのだと思います。確かに10月中を通じての下げ相場は、厳しいものがありましたが、10月29日の安値は、2月9日の安値2万3660ドルを割り込んでいません。夏からの上がり方が異常だっただけで、それが調整されただけだと見ています。
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