「ねじれ議会」誕生でアメリカ経済は混乱する アメリカ第一主義への傾斜を一層強めるが…

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今回の中間選挙は、「トランプ大統領の選挙」だった(写真:Jonathan Ernst/ロイター)

2018年11月6日に投開票が行われたアメリカの中間選挙の終了は、2020年の大統領選挙の本格化を意味する。中間選挙後のアメリカでは、再選を目指すトランプ大統領が、アメリカ第一主義への傾斜を強めると考えるのが自然だろう。ただ、上下両院で多数党が異なる「ねじれ議会」が誕生したこともあり、経済へのリスクは高まりそうだ。

今回、ドナルド・トランプ大統領を擁する共和党は、上院では多数党を維持したものの、下院では民主党に多数党の座を奪われた。2019年に開会される新しい議会は、上院と下院で多数党が異なるねじれ議会となる。アメリカがねじれ議会を選んだのは、バラク・オバマ前大統領が再選を決めた2012年の選挙以来である。

秋口になって戦局に変化

今回の特徴を一言で表せば、「トランプ大統領の選挙」だろう。言うまでもなく、中間選挙は議会の選挙であり、投票用紙に大統領の名前はない。中間選挙の行方は、大統領選挙と同時に行われる議会選挙よりも、それぞれの選挙区の事情や候補者の特性に左右されやすいのが普通である。

だが、今回は違う。つねに戦局を左右してきたのは、トランプ大統領への評価である。選挙戦の序盤は、トランプ大統領への批判が民主党の追い風となった。2018年の夏を迎える頃には、民主党の大勝を意味する「青い波(Blue Wave)」が起こり、「上下両院で多数党が交代する」との見方が浮上した。「ピンクの波(Pink Wave)」と呼ばれる女性候補の台頭も、トランプ大統領に対する反発に支えられた側面が大きい。

秋口になって戦局が変わり、共和党の追い上げが可能になったのも、トランプ大統領のおかげである。秋口に入りトランプ大統領は、遊説などによる共和党の支援に本腰を入れ始めた。最高裁判事の議会承認や、中米からの移民の大量移動(キャラバン)をきっかけに、トランプ大統領は熱心な支持者の危機感をあおり始めた。

世論の分断を追い風とする手法は、まさに2016年大統領選挙の再来である。ブレット・カバノー氏の最高裁判事への指名が共和党の追い風となったのは、保守派判事の議会承認に成功したのみならず、カバノー氏の女性問題を追及した民主党に対するトランプ大統領の激烈な批判が、2016年の大統領選挙と同様に、「ポリティカル・コレクトネス」を嫌悪する支持者の琴線に触れたからだ。

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