南北首脳会談、「終戦宣言」がマズすぎる理由 終戦どころか戦争への一歩になる可能性も

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4月27日に開催される南北首脳会談では、「終戦宣言」に期待が集まるが…(写真:Jorge Silva/ロイター)

4月27日、2つの朝鮮の首脳は非武装地域の南側で会談し、終戦宣言に調印する予定だ。そのイメージまでも詳細にわたって交渉し、注意深く計画された首脳会談で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と韓国の文在寅大統領は、両国間の滞った戦争状態に終止符を打ち、朝鮮半島を確固とした平和への道に向かわせることを公表するだろう。

しかし、くれぐれもだまされないように。「終戦宣言」は戦争に向かう可能性のほうが高い。これはしばらく顕著にはならないだろう。差し当たり、南北朝鮮はその最も重要な短期的目標を達成するに違いない。それは金委員長とドナルド・トランプ米大統領の間で開かれるもっと重大な会談のための地固めをすることである。

すべては「米朝首脳会談」の準備にすぎない

非武装地帯での会談は、韓国の大統領官邸の計画によれば、いくつかの合意をもたらすことになっている。目玉となるのは終戦宣言であり、1992年の「朝鮮半島の非核化」の共同宣言への再誓約を確認することになる。これに伴い、南北朝鮮国間の国家関係を是正する対策も話し合われる。それには経済協力の再開と、文大統領が昨年ベルリンで要点を述べた2つの朝鮮を「1つの市場の朝鮮」に統合する大きな構想が含まれる。

これらはすべて次の首脳会談のためのステージを設定することに意識的に狙いを定めている。制裁を解く契機が生まれ、米国がその舞台に上がるのよりも先に、中国、ロシア、そして韓国は足早にその舞台を降りている形になるだろう。日本は、痛々しいほどに明らかに、効果的に大舞台から孤立させられた状態が続くことになる。

「文大統領は彼の国内の政治的立場において市場が許すかぎりのあらゆることをして北朝鮮に経済的支援をするつもりだ」と、長い間朝鮮事情をウォッチしている米国の元国務省高官は言う。

「彼は間もなく開かれる金委員長との会談を利用してあるイメージの骨格を作ろうとしている。金委員長はきちんと話が通じる、信頼ができる、そして米国に脅かされている人物であるように見せようとしているのだ」

金委員長はこの演出劇においての自身の役割をすでに果たした。先手を打つ形で核実験、長距離ミサイル実験の一時停止と、昨年秋の巨大な弾頭の試験により大きく損傷した核実験場の閉鎖を公表した。同委員長が取った「最初の一手」は反応の渦を巻き起こした。

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