「米朝首脳会談」は準備段階から非常識すぎる トランプ政権はまともに準備できるのか
5月か6に予定されている米朝トップ会談に向けて、米ホワイトハウスはどのようなプロセスで準備を進めているのだろうか。メディアではいくつかの観測が浮上している。
各種報道によると、米国は情報機関を通じて北朝鮮とトップ会談の詳細を詰めているところで、朝鮮半島の非核化が議題に上ることを確信しているという。現在進行中の話し合いは「詳細に及ぶ」と、韓国の文在寅大統領は語り、ワシントンにある韓国大使館と米国務省の間では、会談に備えて定期的なやりとりが行われるようになっている。
米朝トップは贈り物を交換し合うのか
だが、実際のところ、首脳会談の準備とはどのように行われるものなのだろうか。本稿では、米国政府が首脳会談に備えるのに一般的にどのような手順を踏むものなのか、またトランプ政権ではそうしたプロセスが従来のものとどれほど違ったものになりうるのかを解説しよう。
国際儀礼と参加者、場所について
最も基本的かつ重要な課題は、首脳会談を行う場所や参加者、会談の進め方、プロトコールと呼ばれる国際儀礼に関するものだ。たとえば、トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が贈り物を交換するのかどうか、といった問題である。
同時通訳はどうするのか、何人の高官が会談に同席するのか、その中には超強硬派として知られるジョン・ボルトン大統領補佐官(安全保障問題担当)のような人物も含まれることになるのか、といった問題もある。会談の時間をどれだけの長さにするのか、フォトセッションを行うのかどうかといった点も検討しなければならない。
国務省の儀典統括官や国際儀礼に通じたベテランの外交官が対応すれば、簡単に解決できる課題もある。しかし、中には極めて難しい問題も含まれており、こうした懸案事項については極めてハイレベルの高官に判断を仰ぐことになる。