「ねじれ議会」誕生でアメリカ経済は混乱する

アメリカ第一主義への傾斜を一層強めるが…

トランプ大統領が用いる「分断」の手法が有効なのも、アメリカ政治・社会の潮流があるからだ。アメリカでは、トランプ大統領の誕生に先立って、支持政党による大統領への評価の差が拡大してきた。ブッシュ(父)大統領までさかのぼっても、大統領の所属政党を支持する有権者は、8割以上が大統領を支持し続けている。

一方で、対立政党を支持する有権者による支持率は、ブッシュ(父)大統領では4割強だったのに対し、クリントン大統領では3割弱、ブッシュ(子)大統領では2割強、オバマ大統領では1割台にまで低下している。トランプ大統領に至っては、民主党支持者からの支持率は1割に満たない。

過半数の支持を得られないことが前提

トランプ大統領の斬新さは、こうした分断の現実を、正面から利用している点にある。これまでの大統領は、国をまとめる存在であろうとしてきた。激戦となった2000年の大統領選挙で、ブッシュ(子)大統領が、「分裂させる大統領ではなく、まとめる役割を果たす(a uniter, not a divider)」と述べたのが典型である。

これに対してトランプ大統領には、過半数の支持を得られないことを前提として考えているフシがある。大統領の支持率が40%台にとどまったとしても、残りの60%をまとめる党や候補者がいなければ、選挙に負けるとは限らない。分断をあおり、熱心な支持者を確実に投票所に向かわせるのが、トランプ大統領の「勝利の方程式」である。

中間選挙の終了によって、アメリカでは2020年の大統領選挙が本格化する。中間選挙後の政策運営には、大統領選挙への思惑が色濃く反映される。トランプ大統領は、アメリカ第一主義で共和党をまとめ上げ、移民政策などで世論の分断を利用する姿勢を強めそうだ。

分断の深まりは、経済にとってのリスクの高まりを意味する。特に懸念されるのが、財政運営の混乱である。民主党が下院で勢力を伸ばしたために、議会での立法作業は滞る可能性が高まった。

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