安倍首相大慌て!トランプ心変わりの深刻度

日米首脳会談が「分かれ道」になる可能性

4度目となるトランプ大統領との会談に臨む安倍首相の胸中は?(写真:Toru Hanai/ロイター)

安倍晋三首相が米国に向かっている。2016年11月にドナルド・トランプが大統領選に勝って以来、4回目の米国訪問である。夥しい数に上る電話での会話も数えると、両首脳間の接触のレベルは日米関係史においても前例のないものとなる。

たが、これまでのすべての米国訪問とは異なり、6月7日に首都ワシントンで予定されている安倍・トランプ会談をめぐっては、わらにもすがる思いといった空気が感じられる。安倍首相は、トランプ大統領が北朝鮮の指導者、金正恩朝鮮労働党委員長との首脳会談を決断したことに明らかに危機感を募らせ、4月にフロリダに駆けつけた。

そして首相は、北朝鮮の完全な非核化という目標の実現に取り組み、いわゆる「最大限の圧力キャンペーン」と呼ばれる北朝鮮の経済制裁を固守するという新たな誓約をトランプ大統領から取り付けることに成功した。

「こんなにすぐワシントンに来るのは博打」

トランプ大統領が6月12日の首脳会談を突然キャンセルした際には、日本の政府当局者の間には祝賀ムードが漂った。だが、ここにきて米朝首脳会議の予定が「復活」し、トランプ大統領は「完全で検証可能かつ不可逆的な核廃棄 」(CVID)に早急に向かわせるという合意目標を公式に取り下げた。「最大限の圧力」の話は驚くほどの速さで放棄された。そのうえ、トランプ政権は日本や欧州との貿易摩擦をエスカレートさせ、結果によっては日本車の対米輸出に巨額の関税を課すことにつながりかねない調査も始めている。

「こんなにすぐにワシントンに来るのは安倍氏にとっては博打だ」と、ワシントンにある有力シンクタンク、ブルッキングズ研究所で日本研究チェアを務めるミレヤ・ソリス氏は指摘する。

「安倍首相がやって来るのは、6月12日会談を歴史的な成功と呼べるようにしたいというトランプ大統領の気負いが結果的には不利な取引を招いてしまうのでは、という懸念があるから。これによって首相のトランプ大統領との個人外交がもうほとんど崩壊に近づいていることを露呈することになるかもしれないが、それも覚悟のうえだろう」

自らの首相の地位を危うくするかもしれない不祥事の数々への対処を続ける中、安倍首相が自国の国内政治情勢を考慮に入れていることは明らかだ。「安倍首相は国内の『観客』に向けて、できることはすべてやっていることを示す必要がある。自分は日本のために立ち向かっているのだ、と自ら保証するために」と、テネオ・インテリジェンスおよび笹川平和財団の日本アナリスト、トバイアス・ハリス氏は言う。

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