アメリカ株は2019年に本格的な調整に入る

2020年には景気後退も現実味を帯びてくる

アメリカ経済は絶好調に見えるが2019年後半には大型減税の効果が落ちてくる。株の上昇は終わりに差し掛かっていると筆者は予想する(写真:Jonathan Ernst/REUTERS)

2017年12月26日のコラム「2018年、アメリカ株(原題は米国株)は大幅調整する可能性が高い」では、当時のアメリカ株が割高な水準であることを指摘し、2018年のアメリカ株は10~15%程度のレンジの範囲内で調整をするだろうと申し上げました。さらには、株価が調整後に戻したとしても、世界同時不況が予想される2019年~2020年に20%超の調整はあってしかるべきだ、とも付け加えました。

この連載の記事はこちら

実際のところ、2018年の2月上旬のごく短い期間に、NYダウ平均は12%超の暴落をして、世界の株式市場が一時的とはいえパニックに陥りました。それでも私は、NYダウ平均が1月末の2万6600ドル台の高値から2月上旬の2万3300ドル台の安値まで暴落して以降、株価は半年くらいの期間をかけて2万5000ドル台までは戻し、逃げ遅れた投資家にも逃げ場はあるだろうと見ていました。

アメリカ株に2月暴落後のような戻りは期待できるか?

ところが現実には、トランプ政権の大型減税の効果もあって10月3日には瞬間的に2万6900ドル台まで上昇、史上最高値を付けてきました。投資家にとっては逃げ場というよりも、最近までは十分すぎる利益確定の場を与えてくれていたのです。投資家目線でいえば、「ここで売らなくて、いつ売るのですか」という状況にあったというわけです。

ですから私は、NYダウ平均が10月4日からわずか6営業日で瞬間的に2万5000ドルを割り込んだ状況を見ていても、まったく驚きはなく冷静に見ていることができました。その結果として、アメリカ株のPER(株価収益率)は15倍台後半と2016年2月以来の水準に下落していますが、2月の暴落後のような戻り相場が期待できるのかというと、私はその確率は50%以下になるのではないかとはじいています。というのも、アメリカ株の割高感が薄れてきたとはいっても、それが景気後退を意識しているものであれば話は変わってくるからです。

次ページアメリカの長期金利が3%を切りにくくなってきた
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 就職四季報プラスワン
  • 内田衛の日々是投資
  • 「合法薬物依存」の深い闇
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
ビジネスマンのための<br>世界史&宗教

世界を深く知るには、歴史と宗教の知識が不可欠です。複雑化するビジネスの羅針盤を、よりすぐりの専門家が伝授します。「四大文明」という概念は否定されているなどの新常識、3大宗教の基本、世界史ベストブックスの超解説などが満載です。