セルジオ越後が分析!「新生日本代表」の船出 真価が問われるのは来年のアジアカップだ

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――活動期間が重なっているので、森保監督はA代表の指揮を執り、UAE遠征は横内昭展コーチが代理監督として指導します。

そうまでして、この時期に遠征を行う必要がはたしてあったのか。東京五輪まで2年を切っていることを考えれば、監督不在でUAEに遠征させるより、U−21日本代表をA代表にもっと呼んで、それこそキルギス戦に出場させてもよかった。横内コーチがいくら森保監督の右腕だからといって、U−21日本代表の選手も、やはり森保監督に直に見てもらいたいものでしょう。

A代表とU−21日本代表の監督を兼任するメリットに、U−21日本代表の選手たちをスムーズにA代表に引き上げられることがありますが、現状でA代表に招集されている東京五輪世代は、堂安と冨安健洋(シント=トロイデン)の2人だけ。兼任のメリットがまだ生かされていないように感じます。

来年1月のアジアカップで真価が問われる

――11月シリーズが終われば、いよいよUAEで開催されるアジアカップに出場します。2大会ぶり5度目の優勝が期待されます。

11月シリーズも連勝を飾って勢いよくUAEに乗り込み、アジアカップ優勝を目指してほしいですね。これまではテストマッチでしたが、アジアカップは公式戦、真剣勝負の場。采配面が求められるので、森保監督の真価が問われます。

セルジオ越後(せるじお えちご)/1945年ブラジル・サンパウロ市生まれ。日系2世。18歳でサンパウロの名門クラブ「コリンチャンス」とプロ契約。1972年に来日し藤和不動産サッカー部(現:湘南ベルマーレ)に所属。エラシコというフェイントの創始者といわれる。現在はH.C.栃木日光アイスバックスのシニアディレクターや、JAFA(日本アンプティサッカー協会)スーパーバイザーとしても活動中(撮影:今井康一)

さらに来年6月から、ブラジルで開催されるコパ・アメリカ(南米選手権)にも参加する予定ですよね。どのカテゴリーで挑むかは定かではありませんが、アウェーで南米のチームと対戦することは、選手にとっても監督にとっても貴重な経験になるでしょう。

森保監督はここまで比較的うまくチーム作りを進めている印象ですが、その評価はアジアカップとコパ・アメリカが終わるまで待ちましょう。

南野、中島、堂安も、真剣勝負の場でどれだけ活躍し、チームを勝利に導けるのか、しっかり見届けたいと思います。

(文中敬称略) 

飯尾 篤史 スポーツライター

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いいお あつし / Atsushi Iio

東京都出身。明治大学卒業後、サッカー専門誌の編集記者を経て2012年からフリーランスに転身、スポーツライターとして活躍中。『Number』『サッカーダイジェスト』『サッカーマガジン』などの各誌に執筆。著書に『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成に岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(ベスト新書)などがある。

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