セルジオ越後が分析!「新生日本代表」の船出 真価が問われるのは来年のアジアカップだ
ただし、ミス絡みで3失点していることを忘れてはいけません。特に1失点目は、警戒していたセットプレーからのもの。高さにやられたロシア・ワールドカップのベルギー戦の教訓が生かされていないんですね。
ほかにもGK東口順昭(ガンバ大阪)のファインセーブに助けられたシーンが何度もありました。もし、ウルグアイにスアレスがいたら、大量失点していてもおかしくなかった。
それに、彼らの所属クラブを見てください。パリ・サンジェルマン、アトレティコ・マドリード、ユベントス、レアル・マドリード、ラツィオ、インテル……とヨーロッパの強豪クラブばかり。10回対戦したら、1回しか勝てないかもしれない。この勝利を卑下する必要はありませんが、冷静に分析することは大事です。
「新ビッグ3」と呼ぶのは時期尚早
――一方、ウルグアイ戦では南野が2ゴール、堂安が1ゴール。中島も鋭いドリブル突破を披露するなど、コスタリカ戦で活躍したフレッシュなアタッカーたちが、この試合でも持ち味を存分に発揮していました。
南野も中島もプレーが常にゴールに向かっていて、得点の意欲が高いのがいいですね。堂安は守備でも頑張っていたし、ゴール前に何度も飛び出していた。それぞれが存在感を放っていて、彼らは新生・日本代表の象徴的な存在だと言えるでしょう。
ただ、彼らのことを、本田、香川真司(ドルトムント/ドイツ)、岡崎慎司(レスター/イングランド)に代わって「新ビッグ3」と呼ぶのは、あまりに時期尚早ではないですか。南野はザルツブルク、中島はポルティモネンセ、堂安はフローニンゲンと、まだまだトップレベルのクラブで活躍しているわけではないんです。
それで言えば、遠藤航(シント=トロイデン/ベルギー)をはじめ、今シーズンはベルギーリーグに日本人選手が増えました。でも、ベルギー代表はどうですか? 彼らはみんなベルギーリーグを卒業して、イングランド、ドイツ、スペインといった国外のビッグクラブでプレーしています。大事なのは普段、どのレベルで戦っているか。
それに、日本代表で4年間、コンスタントに結果を出し続けられるかどうかも重要。これまでもマスコミは久保裕也(ニュルンベルク/ドイツ)や武藤嘉紀(ニューカッスル/イングランド)らを救世主ともてはやして、スターにしようとしましたが、彼らは日本代表の主力として定着できず、今はメンバーにも選ばれていません。
マスコミは本田や香川に続くスター選手を探しているんだろうけど、マスコミが作り上げたスターはそのうちメッキが剥がれるものです。中島、南野、堂安を「新ビッグ3」と呼ぶなら、それは彼らがビッグクラブに移籍して、日本代表でもコンスタントに結果を残せるようになってから。今は焦らず、見守らなければなりません。
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