AI時代のいま「哲学者」は何を語っているのか

「語り方」そのものが語られている理由

わたしたちは、何を、どう考えるべきか(写真:primipil/iStock)
AI(人工知能)の発展に伴って、哲学の世界では「心」「存在」「言語」「倫理」など「人間とは何か」を問い直す問題に関心が集まっている。
そのようななか、東大の社会人向けプログラムにおける議論をまとめた書籍『世界の語り方』が話題になっている。今回、同書の編者であり、東大教授で東西の比較哲学に詳しい中島隆博氏に、AI社会の到来を目前にしたいま、わたしたちは、何を、どう考えるべきかについて話を聞いた。

21世紀の「知」のあり方

――今回、上梓された2冊の書(『世界の語り方1-心と存在』『世界の語り方2-言語と倫理』)が新しい試みとして話題になっています。

『世界の語り方』には、4回の座談会とそれを受けたフォローアップの原稿が収められています。

学問のあり方として、文理融合や学際的研究・教育の重要性が語られて久しいのですが、実りある議論がなかなか出てこないもどかしさをみなさん感じられているかと思います。東京大学のような総合大学は率先してそうした例を示さないといけないのですが、研究者を取り巻く昨今の超多忙状況もあり、気持ちはあっても具体的な実践に落とし込むことは容易ではありません。

それでも、10年前に東京大学に設置しました社会人向けプログラムEMP(エグゼクティブ・マネジメント・プログラム)におきまして、文理融合と学際的研究・教育への挑戦的な実験を続けてまいりました。その10周年の記念ということもあって、異なる分野の先生方に集まっていただいて、それぞれテーマを決めて、学際的な形でどのようにすれば議論が実りあるものになりうるのかという実験をしてみたのがこの本です。

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