「劣化したオッサン」たちが再生産される本質

中堅・若手が三流のおじさんに対抗する武器

日大アメフト部の反則タックル問題ではコーチと監督が辞任。学生スポーツの意義を問われた社会問題となりました。2018年5月(写真:共同通信)
いいオトナによる下劣な悪事の数々は必然的に起きているーー。山口周氏の著書『劣化するオッサン社会の処方箋 なぜ一流は三流に牛耳られるのか』の内容を一部抜粋し再構成のうえお届けします。

 

本論に入る前に「オッサン」の定義を明確にしておきたいと思います。

というのも、「オッサン」という言葉のもとになっている一般名詞「オジサン」が、中高年の男性を指す一般名詞である以上、これらすべての人を十把一絡げにして議論するのはさすがに無理があると思うからです。

つまり、「オッサン」という用語は、単に年代と性別という人口動態的な要素で規定される人々の一群ではなく、ある種の行動様式・思考様式を持った「特定の人物像」として定義される、ということです。

中高年の男性として分類される人であっても、いわゆる「オジサン」に該当しない年代の人であっても「オッサン化」している人がいくらでも見つけられるということでもあります。

したがって、考察の対象とするのは、傍若無人な振る舞いをして自らを省みることのない人々であり、その内容は必ずしも「中高年の男性=オジサン」全体に適用されるものではない、ということをここに断っておきます。

中堅・若手がオッサンに対抗する武器

組織のトップに一度でも三流を据えてしまうと、自浄作用は期待できません。これは日大アメフト部や日本ボクシング連盟など、昨今の一連の不祥事を見ればよくわかります。

あのような「劣化したオッサン」をトップに据えてしまえば、周囲に残るのは忖度によってなんとか権力のおこぼれにあずかろうとする「劣化したオッサン」ばかりということになり、一流の人材が組織のトップに返り咲く可能性は限りなくゼロに近くなります。

そうなると、カギは40代以下の世代の運動ということになります。実際に明治維新の際にも、太平洋戦争終戦後においても、社会システムの再構築にリーダーシップを発揮したのは主に40代以下の中堅・若手でした。社会で実権を握っている権力者に圧力をかけるとき、そのやり方には大きく「オピニオン」と「エグジット」の2つがあります。

オピニオンというのは、おかしいと思うことについてはおかしいと意見をするということであり、エグジットというのは、権力者の影響下から脱出する、ということです。これはなにも珍しいことではなく、多くの人は市場原理のなかで日常的に用いているレバーでしょう。

商品を購入して不満があれば、クレームという形でオピニオンを出し、それでもあらたまらなければ買うのを止める、取引関係を中止するという形でエグジットをする。

これは株主にしても同様で、経営陣のやり方に文句があれば株主総会で意見を言い、それでもあらたまらなければ株式を売却することでエグジットできます。

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