「ゴーゴーカレー」濃厚ルーとカツの快進劇 「金沢カレー」とはどのようなものなのか

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なお、金沢カレーやゴーゴーカレーでよくある「お客様の声」に「ルーが少ない」というものがある。ごはんとルーを食べる割合の計算がうまくいかず、最後にごはんが余ってしまうのだ。これに対しては、100〜200円で増量することで対応している。

ゴーゴーカレーは近年ではほかの企業とのコラボレーション戦略にも力を入れている。

「アニメやゲームとのコラボはかなり前から行っています。おかげさまで、他社さまからオファーをいただくことが多いです」(新村氏)

特に、55周年記念のコラボ依頼が増えているそうだ。何にでも55という数字を使ってアピールしてきたことが実を結んだと言えるかもしれない。

フランチャイズ展開では北陸や関東に加え、九州も視野に入れ、おいしいカレーを提供する、という理念に基づいて引き続き力を入れたいという。それに加えて、さまざまな別事業で裾野の拡大も図っている。

さまざまな種類のレトルトカレーが発売されている(編集部撮影)

レトルトの物販では、コラボやご当地ものなどの特製カレーから、「減塩カレー」「アミノ酸入りリカバリーカレー」など健康志向の商品を開発。

そのほか、2017年からは給食事業にも参入し、企業の食堂にゴーゴーカレーブランドのカレーを供給している。また近年、ネームバリューのある飲食店を入れるなど、高付加価値化してきているのがショッピングセンターのフードコートだが、同社もアリオへの出店を増やしているそうだ。駅、高速道路のサービスエリア、スキー場、遊園地など、確実に集客の見込める場所への展開も強化している。

思いの強さでここまで展開してきたゴーゴーカレー

「立ち上げ以来、『日本を元気にしたい、金沢カレーを広めたい』という熱い思いで運営してきました。ただこれまでは、いわば、社長と創業メンバーのやる気と根性だけで、事業としては感覚に頼っていた面があります。これからはもっと計画的に運営していく必要があります」(新村氏)

ゴーゴーカレー72店舗中、フランチャイズは39店舗。新村氏によると、カレー店は店舗での工程が少ないため、スキルが高くなくとも始められるほか、店によって味のばらつきが出ないというメリットがあり、フランチャイズに向く業態だという。同社ではこれまで、人柄を重視してフランチャイズオーナーを選んできた。店舗の立地も、フランチャイズに関してはオーナーからの提案というところも多かったようだ。

こうした形態も、今後は変わっていくのかもしれない。実際、今回の取材では来店客数や食材産地などの情報の開示についても、ある程度制限があった。今はそういった情報をどこまでオープンにするかが、企業姿勢として問われる時代である。

創業者の思いの強さでここまで展開してきたゴーゴーカレー。同社が迎える55周年はどのような姿だろうか。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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