「音楽ストリーミング」11社が大連合組む理由 アップル、グーグル、アマゾンが横並び
ビルボードの礒﨑誠二事業部長は、「アメリカやドイツでは、ストリーミングの成長が業界を左右するようになっている。それが業界の成長につながるのは日本も同じだ」と語る。
ライブと連携させる理由については、「フェスに出演するアーティストのストリーミング再生回数が伸びる傾向にある。ユーザーがフェスでさまざまなアーティストを見て、ストリーミングで曲を聴くからだ。親和性の高さは複合チャートに表れており、連携したプロジェクトがより重要になっている」と説明する。
最初はストリーミング6社で始まった
ビルボードはストリーミング各社との交渉も行ったが、こちらは意外にもスムーズだった。レコチョクやLINE MUSIC、AWA、KK-BOX、Google Play Musicの5つのサービスは以前、若手アーティストの支援イベントと連動し、共同でプレイリストを展開する企画を実施。NOW PLAYING JAPANはその進化版ともいえる。5社は「ストリーミングからヒットを生み出す」という趣旨に賛同。ここにApple Musicも参加し、今年1月に第1回が実現したわけだ(ライブは3月に開催)。
2回目となる今回はAmazon Music、うたパス、Spotify、dヒッツ、Rakuten Musicも参加、国内で展開する11のサービスが出そろった。「同じプレイリストが各サービスに陳列されるのは画期的なこと。皆が危機感を持ち、ストリーミングのアクセルを踏み込んでいこう、というこのタイミングでなければ実現できなかった」(スペースシャワーの山中幹司アライアンス事業部長)。
とはいえ、競合サービス同士が手を組むことに抵抗はなかったのか。2012年からストリーミングサービスを展開するレコチョクの柴崎栄太郎執行役員は、「サービス開始当時は単独で(ストリーミングという新たな概念を)PRしていたが、リスナーやアーティストに理解してもらうのは大変だった」と振り返る。
そうした経緯もあり、「マーケットの創出・普及のためには、互いをライバル視する前に連携すべきだと考えた。イベントを継続することについては、全社で一致した。参加することについて、ネガティブな意見はほとんどなかった」と説明する。
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