「10種競技」右代啓祐、東京五輪メダルへの道 アジア大会2連覇した日本記録保持者の現在
右代は、今年4月から母校の国士舘大学体育学部の講師に就任している。普段は勤務後の夕方から陸上部の学生たちと練習に励む。まず「1カ月後の自分の理想図」を作り、具体的な目標を設定してから必要なトレーニングを行うそうだ。
20代の頃は1日に10時間近く練習していたが、最近は長くても5時間だという。合宿や強化期間でも7時間程度。1週間のうち2日を休みとし、5日で全10種目の練習をできるように、1日に2種目ずつ練習に取り組むようなイメージだ。
右代は世界の舞台で最高のパフォーマンスを発揮するために「行動を起こして成長し続ける」道を歩んでいる。
これまで、世界を転戦する各国の選手たちと比べ、右代の海外での試合数は少なく、海外での経験値は決して高くはなかった。
「アジア人として、世界で勝ち続ける姿も見せなければいけない」と、その差を埋めるため、右代は大きな決断をした。世界記録保持者を育てたアメリカのコーチに直談判し、12月に指導を受けるチャンスを得たのだ。
「もう足踏みはできない年齢になってきていますから、現状維持というよりは、自分が行動して成長し続けることが重要だと感じています」
次の世代の選手たちも育ってきている。今回のアジア大会で3位に入った中村明彦選手(28)は、日本人で右代に最も近い位置にいる。1500mなど走る種目を得意とする実力派だ。
また大学生の丸山優真選手(20)は190cmという身長も生かして、オールラウンドで何でもできるので大きな飛躍が期待される。
東京オリンピックでメダルを
「次世代の選手には、まずは自分を目標にしてほしい。自分がこの年まで競技を続けられていることもあり、”簡単には勝てないぞ”というところを見せたいですね」
右代は選手育成にも力を注ぎ、一緒に練習をしながら自分自身も進化したいと考えている。2年後の東京オリンピックをどのように見据えているのだろうか?
「今年1年頑張って、2019年シーズンの大会で入賞、そして東京オリンピックで表彰台にのぼる3位以内を目指しています。つねに行動し続けて成長し続けるということを目標に頑張っていきます」
母国で開催される東京オリンピックでのメダル獲得という「競技人生の集大成」に向けた右代啓祐から目が離せない。
(文中一部敬称略)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら