淡路島で熱狂する「運動会」世界大会の舞台裏 UNDOKAIのワールドカップが開催
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今年の外国人の参加者はのべ1000人以上。ほとんどが日本に住んでいる人だが、海外からこの「UNDOKAI World Cup」の視察に来ている方もいるという。
その結果、ボランティア側の半分以上は外国人が担当したという。
また、外部からのボランティア数は3日間でのべ400人でなんとその中の3分の2を外国人が占めた。
「言葉は片言ですが、我々が運営要綱をマニュアル化し単純化したり、わかりやすく来場者へ伝えることも考えて、指導をしています。今後、他のイベントなどで海外の方が日本へ来た際にもこのノウハウは応用できると考えています。食事の問題などもありましたがあらかじめ想定していたので問題なく進められました」(大出)
なぜ淡路島を選んだのか?
そもそも、なぜ淡路島という地で運動会を開催しているのか? その理由をこの大会に協賛しているパソナグループ代表取締役グループ代表の南部靖之氏に聞いた。
「淡路島でやるべき理由は3つあります。1つ目は歴史です。淡路島は2016年に日本遺産に認定され、今後世界遺産になる可能性もあります。古事記などの「国生み神話」によると、日本は淡路島から始まったとあります。さまざまな遺跡もあり、銅鐸なども出土しています。
さらにユダヤ人が日本に最初に来たのは淡路島だという言い伝えまであるほか、線香の発祥の地でもある淡路島には、多くの歴史的なものがあります。
2つ目は食の宝庫であること。古代には淡路は御食国(みけつくに)と呼ばれ、朝廷に食材を献上していました。
3つ目は文化です。重要無形民俗文化財である淡路人形浄瑠璃があるほか、七福神めぐりなど、さまざまな伝説が息づく島でもあります。世界中の発展した地域には文化や歴史があります。イタリアやギリシャは2000~3000年といった長い歴史があるので多くの観光客が訪れる国です。
しかし、地方創生には観光だけでなく移住という要素が無いと難しい。観光で仮に1000万人呼ぶことは出来ても、10万人いや1万人を定住させようと思ったら至難の業です」
その他にも淡路島には地の利があるという。
「淡路は伊丹、神戸、関空(関西国際空港)、徳島空港と4つの玄関口を持っています。インバウンドの点で見ると、特に関空の力は大きく、東南アジアとのゲートウェイになる力があります。国内からの観光客にとっても三宮から車で30分ほどで来ることができる好アクセスの立地にあります。
日本の中心である東京には外国人が多くいて、英語が出来る人も多く、国際化されていると思っている方が多いですが、私は、東京は実は非常にドメスティックな場所だと考えています。日本国内、もっと言えば首都圏に大きなマーケットがあるからこそ、ドメスティックな思考から抜け出せない。
世界企業は地方で生まれていることが多いんですよ。IT化も地方のほうが進めやすいケースもありますし、志が高い人は地方に行っています。坂本龍馬が改革をしたのも江戸ではなかったですしね。これも東京ではなく淡路で開催している理由の一つです」(南部)
外国人以外の参加者には会社員も目立った。企業ごと、部署ごとに来ているケースもあり、社員が家族と一緒に来て競技に参加しているという。
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企業が実施する社内運動会も一時よりは少なくなったため、社員同士が集まる機会も減った。
そして企業が自前で運動会を開催するにもコスト面で難しいこともあり、「UNDOKAI」に参加するケースが増えているそうだ。
このUNDOKAIが参加企業の健康経営を実現する取り組みの一部を担っているともいえる。国内の参加者の居住地域について、昨年は関西圏からの参加が3分の2だったという。社員旅行も兼ねてUNDOKAIに参加して淡路島を観光したり、徳島県鳴門の方に行く方もいるそうだ。
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