淡路島で熱狂する「運動会」世界大会の舞台裏 UNDOKAIのワールドカップが開催

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今年は花火などのイベントと共に夜に運動会競技を開催する「The Night UNDOKAI」なるものも行われた(写真:UNDOKAI World Cup実行委員会提供)

「地元の方々は歓迎してくれています。今年は初めて花火を上げましたが、もともと地元の方から花火をやってくれないかという要望があったんです。

消防団から何から全て用意して頂き、船も進入禁止にしてくれたりと島ぐるみで協力して頂きました」(大出)というように、地元住民たちも賛同するイベントに成長した。

淡路島に飲食店をはじめとする6つの施設を作った理由もリンクしていた。

「健康的で豊かな生活を作ることをひとつの目的にしており、淡路島に来たい、住みたいという人を呼ぶために飲食施設を造っていくんです。また、これまで地域住民の方が特別な日に行く施設が無い状況でしたが、複数の飲食店をオープンしたことで、地域住民の方からは『島外から親戚や友人を招く場所が出来て、今日は外食しようなどと選択肢が増えた』とも言ってくださいます」(大出)

淡路島公園にあるアニメのテーマパーク「ニジゲンノモリ」(写真:UNDOKAI World Cup実行委員会提供)

今年も3日間で延べ5万4720人もの人が集まった。

そこには世代を超えて一体となって楽しむ事が出来る仕掛けがある。

競技者だけを集めるのではなく、みんなで一緒に同じことが出来る、応援できる、そして自分も参加できて、誰もが勝てるチャンスがある競技を開催していることがこのイベントの特徴だ。

運動会は国籍も年齢も関係なく誰もが楽しめる

最後になぜ運動会にワールドカップという名称を付けたのか、聞いてみた。

「オリンピック種目は限られた人たちのものです。運動会は国籍も年齢も関係なく、共通のスポーツができる大会だと思うのでワールドカップと付けました。今後は、子供から大人まで出来るシンプルな種目が沢山あるUNDOKAIを、オリンピック・パラリンピックと並ぶようなものにしていきたいと考えています。

ワールドカップという名前のおかげもあり、色々な国の方々の参加がありました。今回、視察に来ている外国の方々が自国に持ち帰り、様々な国でUNDOKAIが開催されることを願っています」(大出)

淡路から世界へ。淡路(日本)発のUNDOKAIが世界中で開催される日が楽しみである。

(文中一部敬称略)

菊池 康平 スポーツライター

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きくち こうへい / Kohei Kikuchi

プロサッカー選手を目指して学生時代と会社員時代の夏期休暇などを利用し12カ国に挑戦。会社を1年休んで挑んだ13カ国目のボリビアでプロ契約を果たす。飛び込みで現地のチームと交渉し、テストを受ける道場破りスタイルを得意とする。現在は16カ国でサッカーに挑戦した経験を夢先生などの活動を通して子どもたちに伝えている。アスリートへの就労支援、KING GEARなどでライター活動、専門学校の講師などにも従事。

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