株価が暴落しても冷静にお金を増やす原則 今は上昇でも必ず「その日」はやって来る

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結論を言ってしまえば、何もしなくていいのです。特に、確定拠出年金のように「つみたて投資」を行っている場合は、毎月一定金額で購入するドルコスト平均法ですから高い時には少ししか買わず、安い時にはたくさんの量を購入するというやり方です。

ドルコスト平均法だからと言って特段有利に買えるというわけではありません。しかし、少なくとも株価の上下に心が惑わされて「大幅に下落した時に恐怖に駆られて売ってしまう」というような不合理な行動に陥ることは防いでくれます。

株価の上げ下げはこれからも常に起こり得ます。確定拠出年金は老後資金を作るための制度で60歳までは引き出せないわけですから、その間、何度も大きな株価変動を経験することになるでしょう。

株価の上げ下げに関係なく続けることが肝心

そんな「株価の上げ下げに関係なく続ける」ことが大切なのです。企業型確定拠出年金の場合は、会社が掛金を出しているのでそれほど気にならないかもしれませんが、個人型(iDeCo)の場合は、自分でお金を出しているので、マーケットの変動に対しては心を揺り動かされがちになります。対策としては、積み立て投資の金額についても、「自分が価格変動の下振れリスクを受け入れられる範囲の金額」にとどめるべきでしょう。

具体的に言えば、株式市場は一気に3割程度値下がりすることは、10年に一度ぐらいの割合では起こっています。そこから回復するのにも数年はかかるのが一般的です。それだけの期間、株価の下落に対して経済的・精神的に耐えられるような金額に留めておくべきだと思います。慣れてきてそういった市場の下落にも心理的に惑わされないようになってから金額を増やしても良いと思います。

「長期」×「分散」×「継続(つみたて)」の3つを組み合わせた投資方法は、過去の実績では比較的安定した投資結果をもたらしており、資産運用の王道と言われます。

誰でもできることだから、「あれこれ勉強するよりもまず始める。経験からしか学べないことがある」という意味で、すぐに動くことは正しいのですが、やはり大切なお金を運用するには原理原則は学んでおくべきです。

こうした「投資の原則」について書かれた本はたくさん出ています。それらの内の1~2冊ぐらいを自分で読むことによって投資の考え方について自分なりに学ぶことをお勧めします。

原理原則を学ぶことに加え、実際に価格変動の経験をすることが大切です。なぜなら、貴重な経験によって、価格の変動に気持ちも大きく揺さぶられるからです。そうした経験を積めば、次回、不合理な行動をとりそうになったとき、それを防いでくれることになるからです。

大江 加代 確定拠出年金アナリスト

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おおえ かよ / Kayo Oe

大手証券会社に22年勤務、サラリーマンの資産形成にかかわる仕事に一貫して従事。退社後、夫の経済コラムニストである大江英樹氏(株式会社 オフィス・リベルタス 代表)を妻として支える一方、確定拠出年金の専門家としてNPO確定拠出年金教育協会 理事、企業年金連合会 調査役として活動。野菜ソムリエの資格も持つ。

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