日本の株価が大きく上昇すると読む理由 株価をPERだけで見る人はつねに間違える

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現在、株価は「アメリカの独り勝ち状態」。筆者は「日本株にはありえない割安な価格がついている」という(写真:AP/アフロ)
日本の株価が冴えない。アメリカのS&P500やナスダックが過去最高値を更新したが、8月28日現在、日経平均株価はなお2万3000円を回復できていない。米中貿易紛争、トルコリラ暴落など、マーケットを取り巻く環境変化が激しいなか、秋口以降の株式市場はどうなるのか。武者リサーチ代表の武者陵司氏に話を聞いた。

株価収益率だけで今の株価を見てはいけない

今日の日本株のバリュエーション(企業価値と株価の関係)は、ありえない状態、極端なミスプライシングといって良いでしょう。ひとことで言うと超割安ということです。

バリュエーションについて、多くの人は、過去あるいは他国のPER(株価収益率)と照らして、今は割安なのか割高なのかを語ろうとします。たとえば「日経平均株価の平均PERは約13倍なので、18~19倍前後のアメリカに比べれば割安だ」とか、「過去平均が15倍でしたので、今の14倍は妥当な水準だ」などといった具合です。

しかし、これは株式のバリュエーションを見るうえで、適切ではありません。長期金利が7%のときならばPER14倍(=益回り7%)はほぼ債券と同じリターンなので妥当水準といえても、長期金利が0%のときにはPER14倍は株式は著しく割安だといえます。つまりPERの絶対水準で現在の株価水準が割高か、割安かを測ることはできないのです。

では、何を見れば良いのでしょうか。

私は、株式益回りと社債利回りの位置に注目しています。今、株式の益回りは7%前後で、社債利回りは1%以下というように、株式益回りが社債利回りを大きく上回っています。このような状態がいつまでも続くはずがありません。いつか株式益回りは低下し、一方で社債利回りは上昇するでしょう。

実際、この動きは過去、幾度となく繰り返されてきました。

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