日本人は「トルコ経済」のヤバさをなめている

田中角栄流?エルドアン大統領の経済手腕

独裁色を強めているトルコのエルドアン大統領だが、トルコ国内での人気は根強い(写真:Murat Kula/Presidential Palace/Handout via REUTERS)

金融市場で夏休みムードを吹き飛ばすようなトルコ発の衝撃が広がっている。アメリカ人牧師拘束問題などをめぐってアメリカ・トルコ関係が悪化し、トルコの通貨リラの相場が急落、世界的な経済不安に発展している。

日経平均株価もこの影響で不安定な動きが続いている。リラ急落で欧州の金融機関が保有するトルコ関連の資産が焦げ付く恐れもあり、トルコ発の金融危機が懸念される事態に陥っている。

単一的な問題ではない

問題を複雑化させているのは、トルコの対外資本依存度の高さや中央銀行の独立性をめぐる疑義といった経済問題のみならず、アメリカとの外交関係悪化も絡み合っていることだ。さらには、2002年の総選挙勝利以来、強い指導者として君臨するエルドアン大統領の経済政策や資質そのものに疑念が生じていることも問題を根深くしている。

エルドアン大統領は、指導力を発揮してトルコを発展させてきた。一方、国力の違うアメリカのドナルド・トランプ大統領に喧嘩を挑んでしまった格好になっており、落とし所を見つけるのが困難な状況だ。

共に北大西洋条約機構(NATO)の加盟国であるアメリカとトルコは、2016年7月にトルコで起きたクーデター未遂事件をめぐり、トルコ側が黒幕とするアメリカ在住のイスラム組織指導者フェトフッラー・ギュレン師の引き渡しを要求、十分な証拠がないとするアメリカ側が拒否して関係の悪化が始まった。

トルコの隣国シリアの内戦に絡んだ過激派組織「イスラム国」(IS)掃討戦では、トルコが敵視するクルド人民兵組織をアメリカは友軍としたため、両国は一触即発の状況に陥ったほか、トルコは関係を深めるロシアの最新鋭地対空ミサイルS400の購入も計画してアメリカをいら立たせている。

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