日本の株価が大きく上昇すると読む理由 株価をPERだけで見る人はつねに間違える

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1972年までは、今と同じように株式益回りが社債利回りを上回っていましたが、1972年から2001年直前までは、社債利回りが株式益回りを大きく上回り続けました。そして、2001年以降は再び逆転し、株式益回りが社債利回りを上回る状態になり、現在に至っています。

 

株式益回りが高いということは、株式の相対リターンが高いということ、つまり株価は割安であることを意味します。過去を振り返ると、株式が債券との比較で極端に割高だった時代と、極端に割安だった時代が繰り返されて起こっているのです。このような相対位置の変化が株価革命です。

50年、100年のスパンで株式バリュエーションを振り返れば、日本でもアメリカでも何度も株価革命が起こってきたのです。今の極端に割安な日本の株価は大きく是正され、いずれ、株式益回りと社債利回りが逆転する株価革命が起き、、日本株のバリュエーションが見直され、株価は一段高、二段高を目指すでしょう。長期金利は今後10年経ってもせいぜい3%程度が上限でしょうから、株式の益回りが社債の利回りを下回るということは、株式益回りはいずれ3%を下回っていく、つまりPERが30倍台まで上昇する時代が訪れるということです。

日本企業の「将来稼ぐ力」は著しく改善している

金融資産の本質的価値は、将来得られるキャッシュフローの現在価値と考えられています。非常に難しい言葉で煙に巻いているように思われるかもしれませんが、言いたいことは簡単です。つまり将来、得られるキャッシュがどの程度分厚くなるのか、それと将来のキャッシュを現在価値に換算するときの割引率(金利)、この2つが、これから株価が上がるかどうかの決定要因なのです。

金利は大きく上昇しそうもありませんので、カギとなるものは日本企業の将来キャッシュフローであるといえます、そしてそれは、盤石といって良いでしょう。バブル崩壊後の「失われた20年」において、日本企業のキャッシュフローは極めて不安定でした。株価が大幅な割安水準まで売り込まれても、下値リスクに対する不安が拭い去れず、日本株への投資意欲が後退したのは、将来キャッシュフローが極めて不確かだったからです。

しかし、今の日本企業は史上最高益を更新し続け、この企業収益はさらに増加を続けることはほぼ確実です。日本企業の収益力が著しく強化されているのは、まったく新しいビジネスモデル(=価値創造のメカニズム)を日本企業が確立しえたからです。

それは日本企業がナンバーワンではなく、オンリーワンを目指すビジネスモデルに舵を切ったことによって可能になりました。今や、半導体製造装置を作っているのは事実上、日本とアメリカだけです。またアップルやサムスン電子、ファーウェイなど、スマートフォンを作っているメーカーは群雄割拠ですが、いずれのメーカーも日本製の素材、部品、製造機械を使わなければ、満足にスマートフォンを作ることができません。日本のオンリーワンの技術、品質が、世界の製造業を支えているのです。

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