五輪ボランティアで対立する「批判」と「喜び」 募集を9月26日に開始、著者2人が激論交わす

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西川氏は「やりがいというのはやってみてわかること」と主張する。

「厳しい条件もあるのになぜやるかというと、1つは楽しみで、好きなイベントの当事者として参加できること。やりがいというのはやってみてわかることで、有償、無償の議論もあるが、金銭目的ではない。

あとは世界中の人と一緒に仕事ができて、いろいろな人、将来の友達になる人に出会える。得られた満足感、達成感がモチベーション。人生最高の2週間だと思っている」(西川氏)

それに対して本間氏は次のように訴える。

「ボランティアを否定しているわけではない。いちばんひっかかるのは東京五輪が商業五輪であること。スポンサーはリオ大会までは1業種1社だったが、東京は(その制限を)取り払ったので52社ですよ。

本間氏(左)と西川氏(右)が討論を交わした(筆者撮影)

本来、警鐘を鳴らすべき新聞社までもスポンサーになっている。最大の商業イベントを運営するのに、なぜ無償のボランティアを使うのか。

ゴールドパートナー(に対しスポンサー料)150億円、オフィシャルパートナー60億円という金額を集めている(本間氏推定合計4200億円)。

窓口を独占している電通さんのマージン(取り分)は、800億円はあるでしょう。それでボランティアはタダですから。

ボランティアには無償という意味はない。タダと思わせようとしている。ボランティアの概念は非営利の原則、公共性とか。東京大会は非営利とは言えない。その構造のおかしさに口を挟まない。だからおかしい」(本間氏)

スポーツボランティアの暑さ対策も問題に

災害ボランティアなどの無償ボランティアには非営利、公共性というのは確かに存在する。有償ボランティアも多い。

今回の東京オリンピック・パラリンピックのボランティアはスポーツボランティアと呼ばれ、スポーツイベントをサポートするもの。ボランティアが活動している多くのスポーツイベントは、非営利ではないという点では同じだ。

本間氏は東京がいちばん暑い時期にオリンピックが行われることをやり玉に挙げる。「今年の夏は、ものすごく暑かった。予想気温35度以上だと熱中症の特別警報が出る中で、11万人の命を危険にさらそうとしている。それなのに、タダ。感動を売り物にした詐欺だと思っている」(本間氏)。

西川氏もその点は懸念をしている。「どうやって対処するか。今回の主力になるのはシニア層だと思います。1964年の思い出があって、時間もある。酷暑の中でどう安心してできるかが重要なこと」(西川氏)。

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