「自分のマナーは大丈夫」と油断する人の盲点 取引先や上司を快適にすることも仕事のウチ
仕事をしているとマナーの重要性をつねに説かれる。若い頃、私も職場の先輩からいろいろと教えてもらったものの、45歳になった今、改めてマナー本を読んでみた。
今回読んだのは『この一冊でもう困らない マナーのツボ大事典』(知的生活追跡班・編)だ。帯には「できる大人の大全シリーズ おかげさまで175万部突破!」とあり、さらには「一目おかれる人の『気遣い』は、ここが違う! 品格のあるふるまい、結果につながるビジネスマナー、美しい日本語の使い方…… ほんの少し変えるだけで、一流の作法は誰でも身につく!」とある。
正直、私は「会社勤めさえしていれば、マナーは自然に身に付くもの。マナー本なんて読む必要ない」と思っていた。だが、本を読むと「そうだよね」と納得できる指摘ばかりで、会社員だけじゃなくフリーランスが読んでも参考になるものも多いと感じた。
たとえば、名刺交換では「自社、他社の順で序列の高い人から紹介する」や、「いくら忙しくてもアポイントメントは必ず自分で取らなくてはいけない」「代役で大役を頼まれたら『おこがましい』とあいさつする」「『ひょんなことをお聞きしますが』でまず場を和ませる」などの振る舞いが「正しいマナー」として書かれてあった。
マナー=へりくだること?
しかしながら、読んでいて複雑な気持ちにもなった。
結局マナーって、「自分をへりくだり、相手を聖人君子扱いするってことか」と。書かれてある内容にはもちろん同意するし、“「気が利かなくてすみません」ではへりくだり過ぎ”という項目もあり、別に「へりくだり道」を説く本ではないことはわかる。ちなみに、この項目の正解は「行き届きませんでした」と答えることなのだという。
過去にこの本をもとにマナー関連の雑誌特集を企画した編集者を知っている。さまざまなマナー本を読んだ結果、この本がいちばん参考になったという。一方で、こうも言っていた。
「この本含めて、いろいろなマナー本を読みましたが、どの本も言っていることが異なり、結局何が正解かはよくわかりませんでした」と。彼が担当した特集では折衷案を作りつつも、読者がしっくりきそうなマナーをまとめる形になったそうだ。
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