誰もが知っておきたい「乳がん診断」の最先端 治療法は日進月歩で進化している

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乳がんであるかどうかは、病理診断によって決まるといっても過言ではない(写真:mits / PIXTA)
8月27日、漫画『ちびまる子ちゃん』の作者、さくらももこさんが乳がんで8月15日に亡くなったことが明らかになり、日本中に大きな衝撃を与えた。乳がんを見落とさないためにも、定期的に検査を受けておきたい。では実際、患者となる私たちは病院でどんな検査を受け、治療方針はどのように決まるのか。8月30日配信のさくらさん死因「乳がん」の診断が難しい根因に続いて、診断のスペシャリスト、小倉加奈子医師が解説する。

がんの精密検査といえば、病変部の細胞や組織を直接採取して顕微鏡で観察する「病理検査」を指すことが多い。病理検査で下される病理診断が「がんの最終診断」となる。特に乳がんは、治療方針も含め、病理診断によって決まるといっても過言ではない。

乳がんの病理検査は、自己検診で「しこり」を発見したとき、あるいは乳がん検診で異常を指摘されたときに行われる。乳がん検診は、マンモグラフィー検査や超音波検査が主流であるが、ここでの異常所見の程度によって、病理検査を行うか否かが決定される。

マンモグラフィー検査の場合は、異常の有無や程度によって5段階評価する。カテゴリー分類と呼ばれているが、カテゴリー3以上は、要精密検査、すなわち病理検査が推奨される。カテゴリー5の場合は、がんの可能性が高くなる。超音波検査の場合もがんに特徴的な所見がいくつかあり、それに該当している所見があった場合は、やはり病理検査が行われる。

「細胞診検査」と「組織診検査」

病理検査には、「細胞診検査」と「組織診検査」の2つがある。

細胞診検査は、注射器を挿入した際の陰圧を利用して細胞を吸引し、それをそのままガラススライドに塗布し、標本を作製する方法である。一方、組織診検査は、病変の一部を切り取り、塊として採取し、標本を作製する。この組織診検査は、別名「針生検(はりせいけん)」とも呼ばれる。細長く小さな病変の塊を採取して検査を行う。

細胞診検査と組織診検査にはそれぞれ長所・短所があるが、基本的にがんの最終診断のためには組織診検査が行われる。また、どちらの検査も病変部に針を刺して細胞や組織を採取して顕微鏡で観察する検査になるが、超音波検査では病変を確認しながらその場ですぐに行うことが可能である。

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