今こそ思い知る小林麻央さんが与えた共感 夏目雅子さんのように語り継がれる存在に
既報のとおり、6月22日に小林麻央さんが34歳の若さで亡くなりました。心からお悔やみ申し上げます。
連日ワイドショーやネット記事などで、麻央さんの温かい人柄や、闘病中に発信し続けたブログ、家族との愛情あふれるやり取りなどが紹介されていますが、まだ「麻央さんが私たちに何を残してくれたのか?」という本質的なところまで踏み込んだものは見られません。
ここでは、「メッセージの行方」「シングルファーザー」「マスコミの報道姿勢」という3つのキーワードから、麻央さんが影響を与えた人々や残したものについて解説していきます。
自分に置き換えやすい率直な文章
最初のキーワードは、メッセージの行方。コンサルタントをしている私のもとには、がんなどの病気に悩まされている人からの相談が届くことも多く、闘病のつらさや不安などを聞いていました。だから麻央さんには、「これ以上『頑張って』というのは酷だから、少しでも心身の痛みがやわらぎ、家族と幸せな時間が過ごせますように」と応援していたのです。
病と闘っている人との会話だけでなく、時には、病で家族を失った遺族から話を聞くこともありました。遺族のみなさんは口をそろえるように、「闘病している姿を見て、自分の生き方を考えさせられた」「亡くなって初めて、長所や愛すべきところに気づかされた」と言います。「生き続けてほしかったけど、亡くなったからこそわかったことがある」。その点、有名人であり、ブログでメッセージを発信していた麻央さんは、世界中の人々にそう感じさせられるのです。
これまで麻央さんはブログに、検診への考え方や、病への向き合い方などをつづってきました。周囲の人々が言うように、麻央さんは「自分よりも人の心配をする」優しい人。セカンドオピニオンを求めなかったことへの後悔をにじませるなどの率直なものが多かったのは、「読み手が自分に置き換えて考えやすい書き方を選んでいたのではないか」と感じるのです。
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