ところが、会話の中でsake and shochu(酒と焼酎)のように、英語になっていない日本語と一緒に登場したときに、日本酒だけ「サーキー」と英語発音にするとちょっとアンバランスな感じになってしまいます。そのときには「サーケイ」と日本語寄りの折衷発音にしてもらうこともあります。
また、駅名のような固有名詞などは、英語にはなっていませんので、「正しい英語発音」というものが存在しません。つまり、正解の発音がないのです。それでも、よく使われる単語であれば、ネーティブがよく使用する発音で収録するということができますが、ネーティブになじみのない固有名詞は困りものです。無理に英語風に読むのもなんだか変ですし、完全に日本語で読むのも違和感があります。そして結局、折衷発音で落ち着くことが多いのです。
英語では「強勢」が必須
どのときに、どの発音を使うのがいいのかという議論はさておき、日本語の単語を英語風にするときの法則は覚えておくと便利だと思います。英語として心地よく発音すると、日本語の音がどう変化するのかを知っておけば、ネーティブが何か日本語の単語を言ったときに、聞き取りやすくなるからです。一緒に見ていきましょう。
まず、いちばん大切なのが「必ずどこかに強勢を置く」ということです。絶対ではありませんが、3文字の単語では2番目の音、4文字の単語では3番目の音に強勢を置くことが多いと思います。まずは、母音や子音の変化は無視して、どこを強く伸ばす感じで発音するかを確認してください。口に出して言ってみると、イメージが湧くでしょう。
浴衣(ゆ・か・た) ユカータ
名古屋(な・ご・や) ナゴウヤ
折り紙(お・り・が・み) オリガーミ
焼き鳥(や・き・と・り) ヤキトウリ
日本語の長音や「ん」は、英語ではひとかたまりにしてしまいます。
六本木(ろっ・ぽん・ぎ) ロポーンギ
パチンコ(ぱ・ちん・こ) パチーンコウ
大阪(おお・さ・か) オサーカ
名谷(みょう・だ・に) ミョダーニ
北大路(き・た・おお・じ) キタオウジ
でも、強勢がありさえすれば、心地はよいので、ほかの場所に強勢を置くこともあります。先ほども言ったように、英語になっていない固有名詞には、正しい英語発音というものがありません。「ここでなければダメ!」という法則がないので、ネーティブによって強勢を置く位置がばらつくことも多いでしょう。
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