小学校で「道徳の授業」はどう進められるのか 授業は先生と子どもが一緒に考え学ぶ時間だ

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道徳科の評価は、「一面的な見方から多面的・多角的な見方へと発展させているか」「道徳的価値の理解を自分自身とのかかわりの中で深めているか」といった視点で評価をする。

1時間の授業での評価ではなく、学期ごとや年間という大くくりなまとまりで、その子どもの伸びた点や頑張っている点を認め、励ますものである。入学者選抜の合否判定などには活用しない。

授業の中では、「一つの問題を、さまざまな視点からとらえようとしているか」「自分と違う立場や考え方を理解しようとしているか」「道徳的価値の実現することの難しさを自分のこととしてとらえ、考えようとしているか」などといった視点に着目する。

評価のあり方は保護者にも周知徹底

子どもたちの姿としては、自分の考えから友達の考えを聞いてさらに広げたり、「自分はどうかな」と今までの自分を振り返ったりする姿、また「自分はこれが大切だと思う」と納得解を見付ける姿などが挙げられる。それらを長期にわたって担任が把握し、認め励ます形で評価を行う。

方法としては、授業の様子やノート、ワークシートの記述などが主となる。しかし、「正しいことを言えばよい」「先生が求めているような答えを書けばよい」というものではない。つねに、自分とのかかわりで考えているかどうか、できる自分、できない自分も含めて自分であり、自己を見つめているか といった視点が大切になる。

この評価については、学校全体で共通理解を図って進めていくのはもちろんのこと、保護者への周知徹底も必要である。

筆者が教諭を務める中野区立塔山小学校では、保護者会や文書などで学校での取り組みを伝えている。

評価に関して、学校としてのどのように見取り、どのように評価をするのかを伝え、「理想とする正しい答えを言うことが道徳授業である」「先生が望むような発言をすることで成績があがるのでは」という間違ったとらえ方をさせないようにしたい。

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