「道徳の教科化」に潜む"愛国教育"の危うさ 国が道徳観を定め教師が評価するのは適切か

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全国の小学校で、文科省の検定を受けた教科書を用いた「道徳」の授業が始まった(撮影:尾形文繁)

国語、算数、理科、社会――おなじみの教科のほかに、小学生が学ぶ教科がこの春から1つ増えたことをご存じだろうか。これまで「教科外の活動」とされていた道徳が、「特別の教科」に格上げされたのだ。

「道徳の教科化」は、2020年を目処に進む学習指導要領の改訂のなかで、2018年度から先行して始まった(小学生のみ、中学校は2019年度から)。授業時間数は1年生から6年生まで週1時間であることに変わりはないが、道徳が「特別の教科」になることによる大きな変化は2つある。

第一に、道徳の授業で文部科学省の検定が必須の「教科書」が用いられるようになること。第二に「評価」が行われるようになることだ。この2つの変化が子どもたちにどのような影響をもたらすか、今回は考えていきたいと思う。

教科書に求められる「郷土愛」

まずは教科書である。日本では、学校で用いられる教科書について、文科省による検定が行われており、生徒が学ぶ教科書は国の基準に沿った内容となる。昨年、道徳の教科化に向け作成された教科書に記載されていた「パン屋」という表記が、「国や郷土を愛する態度」が不足していることを理由に「和菓子屋」に書き換えられたというニュースが話題になった。あの件は文部科学省による教科書の検定がきっかけとなっている。

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