買ったらヤバイ!新たなダメ投信の見抜き方 「資産寿命」と「取り崩し」で不安を煽る新商法

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腹黒い人たちがまたぞろ個人投資家のためにならない投信を売ろうとしているようだ(写真:CORA / PIXTA)

今週は株価が膠着状態にあるので、投資信託の話をしよう。実は、今、投資信託の世界が揺れている。

「日銀の統計ミス」の衝撃

まず、個人向けの投資信託資産残高は、2017年12月末には過去最高の約109兆円となっていたはずだったのだが、統計のミスが発覚して、これを修正した結果、改訂前に比べてなんと約33兆円も減少。76兆4400億円にすぎなかったことが判明した。しかも、これは「過去最高」などではまったくなく、過去の最高値を記録した2015年の6月末よりも、なんと10兆円も少ないのだ。

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修正の理由は、ゆうちょ銀行が保有する投資信託を、統計を作成する日本銀行が家計保有として計測していたことにあるというのだが、かなりひどい話だ。

さて、この結果をどう見るか。個人保有の投信残高が伸びていないということは、投資信託の世界がうまくいっていないということなのか?

「うまくいっていない」という批判的な意見もある。「政府にとっては、NISAやiDeCoなど税制メリットのある投資制度を用意して資産形成を促してきたが、その成果がいっこうに上がっていなかったことが白日の下にさらされる格好となった」と手厳しく述べているのは、通常は政府に立場が近いと思われる『週刊金融財政事情』(2018年8月6日号)だから驚く。

「金融庁の幹部は『あらためて資産形成を促すためにどうすべきか考えないといけない』と厳しく受け止める」とも書いている。

一方、筆者は、この間の個人の投信保有残高の減少を、むしろ好ましく感じている。

次ページなぜ筆者は残高減少が好ましいと断言するのか
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