「100のうち97の投資信託」がダメな理由

「販売手数料ゼロのETF」なら良い投信?

「投信は、コストの安いETFを買っておけば大丈夫」。これは本当だろうか。投信を選ぶ場合は、もう少しコストの中身を見るべきだ(写真:プラナ/PIXTA)
投資信託は本当に誤解が多い。前回(投資信託は、本当に「長期保有」が正しいのか)は投資信託の長期保有が必ずしも正しくないことを指摘したが、今回は「運用管理コスト(信託報酬)」について。たとえば「ETF(上場投資信託)は運用管理費が安いから優れている」が「常識」だが、本当だろうか。そもそも運用管理費とは何だろうか。良い投資信託商品の見極め方について、引き続き元・敏腕ファンドマネジャーで、運用会社の社長も務めた大島和隆氏に聞く。

投資信託の「運用管理費用」の内訳はどうなっているのか

投資信託を購入、保有するにはコストが掛かります。その中で最も大きいのが、「購入時手数料」と「運用管理費用(信託報酬)」の2つです。

これ以外にも細かく見れば、監査費用、組入有価証券の売買コストなども、投資信託の保有者が負担するコストに含まれますが、まずは2大コストである「購入時手数料」と「運用管理費用」が本当に妥当なものであるかどうかを考えてみましょう。

この2つは、同じコストでも何が違うのでしょうか。購入時手数料は文字どおり、投資信託を購入したときに発生する手数料で、それ以降はいっさい取られません。そして、投資信託を購入した人が払った購入時手数料は、全額が販売金融機関のものになります。

これに対して運用管理費用は、投資信託を保有しているかぎり、ずっと取られます。仮に年率2.0%が運用管理費用の料率だとすると、日々その365分の1に相当する0.00547%(100万円購入すると、約55円)が、自動的に引き落とされていくのです。投資信託会社は、この「運用管理費用の一部」を収益源として得て、会社としての経営を維持しています。調査にかかわる費用は当然のこと、ファンドマネジャーやアナリスト、その他さまざまな計理・事務作業などを行っている社員の給料も、ここから支払われています。

次ページ売る側の金融機関は「購入時」+「運用管理」の二重取り
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