ビジネスマンの生活に欠かせないコーヒー。日本におけるコーヒーの歴史は、江戸時代に長崎の出島でオランダ人によって伝えられたのが始まりとされる。
今でこそコーヒー関連企業は数あれど、98年前の今日にあたる1920年8月24日の創業から日本のコーヒー文化を支えてきたのがキーコーヒーだ。今回は、海外におけるコーヒー農園事業からコーヒーの製造販売、カフェ運営まで手掛ける同社の1世紀の歴史をひもとく。
大正後期の横浜で創業
キーコーヒーの歴史は1920年、1代目・柴田文次氏(旧姓・木村)が、横浜でコーヒー商・木村商店を創業したことから始まる。ハイカラだった文次氏は異国情緒あふれる港町で、外国から持ち込まれる洋服や洋菓子、ビールなどさまざまな品の中から、コーヒーに惹かれたという。
まだ広く知られていないコーヒーを、人々が飲んで語らう姿を想像し、「コーヒーは日本人の新しい文化と時代を開く鍵(キー)になる」と確信した。
今でこそ青と黄色の看板でおなじみのキーコーヒーだが、当時では珍しい英語のロゴを採用したのも、新しいもの好きだった文次氏のアイデアだ。
創業当初はコーヒーを焙煎し、自転車や郵便などを使って卸していた。しかし、次第に「自分でコーヒーを栽培したい」という夢を持つようになる。
そこで、台湾と沖縄に拠点を開設し生産を開始したものの、戦争のほか台風も多かったため上手くいかず、苦い経験をする。1946年には、本店を横浜から東京に移して、全国展開を行い、再出発に至った。
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