創業174年、ハチ食品がカレーにこだわる理由

「国産カレー粉」第1号企業のサバイバル戦略

2016年に復刻発売したカレーカンパニーハチ食品のフラッグシップ商品「蜂カレー」(画像:ハチ食品)

今や日本人の「国民食」と言われているカレー。

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筆者の住む大阪では、ここ数年、独創的なスパイスカレー専門店が次々と開店しているように見受けられる。

実は大阪とカレーとの関係は古く、明治時代にまでさかのぼり、国産カレー粉第1号は大阪から生まれている。開発したのは今回紹介する「ハチ食品」である。

1905年、初の国産カレー粉を開発

ハチ食品は、1845(弘化2)年に今村弥兵衛が創業した。もともとは現在の大阪市中央区瓦町で薬種問屋「大和屋」を営んでいた。古くは江戸時代から道修町界隈には、中国や東南アジアからの唐薬を扱う薬種問屋が軒を連ねていた。

現在でも田辺三菱製薬や塩野義製薬、大日本住友製薬など大手製薬メーカーの本社がこの界隈に集中し、「くすりの町」として知られている。

昭和3年当時の今村彌商店(写真:ハチ食品)

その後2代目今村弥兵衛に代替わりし、屋号も「今村弥」と改めた。2代目弥兵衛は漢方薬の原料となる鬱金(ウコン)の栽培に注力するなど研究開発に勤しんだ。

1903(明治36)年には内国勧業博覧会でウコン粉が有功褒賞に選ばれている。

このウコンを含め、蔵にしまってあった漢方薬の香りが、カレーの匂いに似ていることを発見した弥兵衛は、鬱金粉をつかったカレー粉の調合に着手する。試行錯誤の末、1905(明治38)年に日本初となるカレー粉の国産化に成功、「蜂カレー」と名付けて売り出した。

ちなみに、蜂カレーの名称の由来は、薄暗い蔵の中でカレー粉の調合をしていた弥兵衛がふと顔を上げたときに、窓から射し込む朝日に照らされた蜂が美しい輝きを放っていたことに感銘を受けたことがきっかけだという。

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