スケッチブックでマルマンが「超定番」な理由

積極的な中途採用で「異業種集団」を構成

スケッチブックの「定番」の地位は、どのように築き上げられたのか(筆者撮影)

深緑と黄色の表紙が印象的なスケッチブックを目にしたことがある読者は多いのではないだろうか。マルマンを代表する同商品(正式名称は「図案スケッチブック」)は、2018年で60周年を迎えた。たかが文具、されど文具。「定番」の地位を築き上げるのは容易ではない。2020年に創業100周年を迎えるマルマンのこれまでの道のりを追った。

祖業もスケッチブック

マルマンは1920年に東京都神田の地にて創業。初代・井口興一氏が「子どもたちに思いっきり夢を描いてもらいたい」という熱意を込めて、スケッチブックを製造販売したのが起源だ。

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1944年には戦争激化に伴う統制と創業者社長応召のため事業を一時中断したが、1947年に(株)丸万商店として法人設立し、二代目・井口秀夫氏が社長就任。物資不足が騒がれるなか、海外の技術をいち早く日本に持ち込み、スパイラル製本技術を活用したスケッチブックやスパイラルノートを発売。その後も生産拠点を増やし、バインダーやレポートパッドなど次々に新商品を投入して、ロングセラー商品を生み出した。

現任の井口栄一氏が三代目社長として就任したのは2001年。世間はデフレ不況という厳しい経営環境下での就任となった。デフレ不況下では、モノの価値が下がり易く、特に小売業にとっては安売り合戦が生じやすい。そのため、生き残るには、潤沢な資金力で大量生産を行い価格競争力を付けるか、付加価値を武器に価格競争に抗うというのが定石だろう。マルマンは、後者の戦略をとった。

まず、栄一社長はかねてより構想していた、売り上げ重視の経営体制から採算性を重視した経営体制に切り替えた。選択と集中だ。各アイテムの採算性を徹底的に調査・算出。各商品の売り上げ、工場での生産コスト、配送コスト、返品時の輸送コストや人件費に至るまで、徹底的に把握し、不採算アイテムの販売中止を決定。

一方で、売れ筋商品に対しては設備投資を実施して経営資源を集中。これにより、品質とコストパフォーマンスの両方を同時に向上させた。売れ筋アイテムの類似品が他社から出てきても、価格・品質ともに負けない「マルマンブランド」が競争優位に立てるという戦略だった。

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