究極のコスプレ?
次の『絵画の国に住む(本を踏むニコラシーリョ)』の鼻のあたりを見てみよう。かぶりものの線がくっきりと見えている。先ほどの作品ではデジタル処理で消されていたが、子供の体格にするために、頭を大きく見せるものをかぶり、カツラをつけた。レンブラント、ピカソなど、巨匠の名が入った本を踏みつけて、少年のやんちゃぶりを表している。
究極のコスプレとも言えるが、絵の中の人物に似せながらも、森村さんらしさを出した「セルフポートレート」にする、そのさじ加減も作品のポイントだと豊田さんは言う。
「現在、過去、未来、画家のアトリエとプラド美術館と、時空を超えて視線が行き交います。でも、そんなに深く考えないで、一つひとつの作品を間違い探しのように見ていくだけでも、十分に面白いのではないかと思います」
真夜中のプラド美術館では、王女と侍女たちがこんなふうに絵から抜け出して遊んでいるのかもしれない。カラフルなお菓子が並ぶ、銀座の資生堂パーラーの1階奥にギャラリーへの階段がある。1枚の絵から転がり出した物語を、17点の写真作品で楽しみたい。衣装の一部も展示され、こちらからメイキングムービーも見ることができる
品川区の原美術館では、「森村泰昌 レンブラントの部屋、再び」が12月23日(月・祝)まで開催中。画家のレンブラントに扮した作品を見ることができる。
「森村泰昌展 ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る」
2013年9月28日(土)~12月25日(水)
資生堂ギャラリー
東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
TEL 03-3572-3901
11:00~19:00(日、祝は18:00まで)
月曜休み(12月23日も休み)
入場無料
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