天才かもしれない人が組織になじめないワケ ゼロからイチを無意識につくる思考法の妙味
彼らに共通していることは自分の頭の中にあることを言葉にして表現するのが難しいということでした。また、常識や規則を理解するのに時間がかかりルールに対して納得のいく解説がなければどんなに頑張ってもそのルールに従うことができないということが挙げられます。例えば、ほぼ毎日会社を遅刻してしまう人や、コミュニケーションがうまく取れず常に人を怒らせてしまう方、仕事を一定期間持続するのが難しい人など、自己実現において多くの問題を抱えておられました。
そのため既存のルールを理解することが難しく、まだ誰も見たことのない自分の中に内在する世界をうまく言葉で表現することができずにいます。それでもゼロから新しいものを生み出すための想像力が豊かで、自分の感覚に正直にしか生きることのできない意志の強さを併せ持っています。
冒頭のHさんは、大手企業の働き方に不満を抱えながらも、企業という組織のなかで思うような結果を残せない自分に自信を失い、私の下に相談に来られました。会社はつらいけど、独立できるほど仕事ができる人間ではないと思い込んでいたようです。
私が「創造脳」と「受動脳」の仕組みを詳しく解説しその活用方法についてお伝えすると、Hさんは一瞬にして理解し、キラキラと目を輝かせながら私にこういったのを覚えています。
「私は雇われて誰かの仕事の一部を担うより、独立して自分がリーダーになるほうがよっぽど向いているのかもしれない!」
彼自身のコンプレックスでもあった、人と馴染めず、組織の中で共感を得られなかった独自の視点こそ、社会で勝負するための最も優れた才能であったことに気づき、独立を決意し行動に出ました。
起業に踏み出した瞬間、結果を出すケースが多い
さらにみずからの才能を思う存分を活かしウェブマーケティングおよびエンターテインメント系のイベント運営を行うベンチャー企業を立ち上げました。独立してから短期間で世界規模のプロジェクトに携わるなど業績は今も伸び続けています。
発達障害などの特徴を持つ「創造脳」が発達している人は、誰かに決められた業務をこなしている間は才能が発揮できませんが、独立起業に踏み出した瞬間、これまで弱点だと感じていた性質を見事に強みに変え驚くほどのペースで結果を出すケースが多くあります。
「好きなことで生きていく」などのキャッチコピーがもてはやされるように、一昔前には夢のような話だったこともインターネットが発達した今、誰もがほんの少し知恵を絞れば可能な時代となりました。
ですが、このような恵まれた時代にあっても「何をしたいかがわからない」「好きなことがわからない」という人が増えています。それは与えられた環境に従うことに慣れ、みずから創造的に発想することができない受動脳の人がほとんどだからです。特に日本においてはその傾向が強いかもしれません。
そんな中、創造脳を使いこなし、既存の世界に適さない新人類が増えているのは、ある意味社会に新たな風潮を投げかけているようにも感じます。
適さなくていい。自分から始まるコンセプトを伝えていくことで、自らが社会での居場所そのものになるということは、すべての人にとって幸福へと繋がる重要な考え方であり、これからの時代、そうした生き方や考え方は、ますます広がりをみせるのではないかと感じます。
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