「iPhone X」が実は絶好調といえる決定的理由 発売以来、iPhoneの中で販売トップを維持

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その上で、クックCEOは、米中双方は互いに必要としている存在であり、2国間の合意に対して楽観的な見方を表した。「我々は、冷静さを取り戻すことを望んでいる」(クックCEO)。

スマートフォン市場の飽和は、販売台数の成長から維持がテーマとなる。そのため、iPhone Xのような高付加価値製品が人気となることは、これまでのiPhone主体のビジネスを続けるならば、非常に有効だった。

絶好調のサービス部門へと指標を移す

しかし、アップルは現在、Apple WatchやAirPodsなどのウェアラブル製品と、Apple MusicやiCloud、アプリの購読サービスなどのサービス部門の高成長分野に指標を移そうとしている。

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ウェアラブルデバイスを含むその他の製品の売上高は37億4000万ドルで前年同期比37%増。Apple Watch、AirPods、Beats製品を束ねた「ウェアラブル」製品は、直近の四半期で既に100億ドルの売上高を達成し、成長率も60%であった。

またサービス部門は売上高95億4800万ドルで前年同期比31%。四半期で100億ドル到達も目前となっており、iPadとMacの売上高を合計した規模になりつつある。Apple Musicは有料会員と使用中のユーザーを合計して5000万人を超え、アップル経由でサブスクリプションサービスに契約しているユーザーは3億人になった。

iPhoneの販売台数が成長しなくても、既存のユーザーに加えて AndroidユーザーがiPhoneに乗り換えてアクティブユーザーが増えれば、サービス部門は成長で、またウェアラブル製品も伸びる。iPhoneを基盤にしながらも、成長軸をサービスとウェアラブルへ転換する戦略が進行している。

そうした中、9月には恒例となる新型iPhoneの発売が控える。盤石の体制で2018年の後半に臨むアップルにとって、最大の懸念はやはり、米中貿易戦争の行方、といえるだろう。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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