「男らしさ」に無自覚なまま結婚するリスク 「適齢期」を考えるより、ずっと重要なこと

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未婚化が進行する日本社会で「適齢期」という言葉にどれだけの意味があるのか(写真:Ushico/PIXTA)
女性の育児や仕事など、女性の問題ばかりが取り上げられるこのご時世。しかし、男だって「男ならでは」の問題を抱えて生きづらさを感じています。男が悩むのは“女々しい”!? そんなことはありません。男性学研究の精鋭、田中俊之先生がお答えします。

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■今回の相談
こんにちは。20代前半の男です。まだまだ働き始めて間もないですが、なんとか仕事にも慣れてきました。ですがプライベートのほうがうまくいっていません。付き合って3年以上になる彼女と結婚するべきなのか悩んでいます。
僕はまだまだ、結婚するのは早いと思うのですが、男というのはいったい何歳で結婚するのが正解なのでしょうか。私の親は相手が30歳になるまでにとか、働いて3年以内に結婚したほうがいいなどと余計なことを言ってきます。男なんだからしっかりしなさいともいわれます。
もちろん、彼女もいますぐに結婚したいとは話しませんが、そこまで遠くないうちに結婚したいと僕に話してきます。そこら辺の段取りは男がするものでしょと冗談とも本気とも取れないことを言ってきます。
なんだか彼女も作らずに毎日楽しそうに過ごしている大学時代の友人と話すと羨ましく感じることもあります。彼らは結婚したら負けとか、20代のウチは仕事に打ち込んで、彼女を作らずに適度に遊んでいたほうが楽しいとまじめな顔で話しています。
やっぱり結婚すると社会的信用も高まるし、家庭を持てば仕事の責任感も変わってくるといった通説もありますが、結婚することが仕事にプラスになるものでしょうか。
彼女や周囲に押し切られる形で結婚するのも違う気がします。結婚するのかしないのかということは、働く男にとって避けては通れないようなイベントだと思うのですがどうでしょう。悩める僕に答えをください。どうぞ宜しくお願いします。
悩む20男

「男というのは何歳で結婚するのが正解なのか」

まずは落ち着いてください。

この連載の一覧はコチラ。※読者の皆様から田中先生へのお悩みを募集します。「男であることがしんどい!」「”男は○○であるべし”と言われているけれど、どうして?」というお悩み・疑問がある方はこちら

「男というのは何歳で結婚するのが正解なのか」。悩む20男さんが困惑してしまうのも当然です。現代の日本では、明快な答えを出すことが難しい問題だからです。

1985年における男性の未婚率は、20代後半で60.6%、30代前半で28.2%、そして、30代後半になると14.2%まで下がります。正解というのは大げさですが、30年前の日本社会では、男性の場合、おおむね30代前半から後半にかけてを「適齢期」として想定できたと言えます。

2015年の未婚率を確認すると、20代後半72.7%、30代前半47.1%といずれも上昇しました。さらに、30代後半でも35.0%となっています。3人に1人が未婚なのですから、今日では30代後半を「適齢期」とするのは困難です。

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