「答えなくてよい質問」に疲弊していませんか 相手を思いやる人ほど損をしている

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このたぐいの質問については、知っていることであれば、すぐに答えてください。

相手との関係性を深めたり、気持ちを受け止めるかかわり方の手法では、質問に対して(相手が発したことについて)、「まずは、相手の言ったことを受け止める」という手法があります。それに準じて「まずは、相手の言いたいことを受け止めてから」と、ワンクッション挟みたくなる方もいらっしゃるかと思いますが、必要ありません。

質問の意図がわからずに確認をする、お客様対応などで復唱が必要な場面を除き、通常のやり取りの中では、「明日、出席されますか?」の質問に対して「明日、私が出席するかどうかを知りたいのですね?」なんて言おうものなら、反対におかしなことになります。単刀直入に「明日、出席します」でよいわけです。

このように事実や方法や内容を問う質問には、スムーズ&的確に答える必要があります。

答えなくてもよい質問とは?

では、答えなくてもよい質問とはどういうものかというと、考え方や価値観についての質問です。

例)
・最近、先輩が私ばかり注意するのだけど、嫌われてるのかな?
・この仕事、自分に向いていないと思うんだけど、どう思う?
・AかB、どっちにしようか迷っているんだけど、どっちがいいかな?

このたぐいの質問に対しては、よほど暇か、ただ会話を楽しみたいだけのときには答えていただいても問題ありません。しかし、貴重な時間を割いてまで答える必要はないものばかりです。

なぜかというと、これらは、答えを求めている質問ではないからです。

まず「どう思う?」という質問は、相手の意向を問うものではなく、自分の気持ちを話したいという意思表示です。質問してきた側には、同調してほしい、自分の気持ちを聞いてほしいという気持ちがあります。

質問形式なので、答えたくなってしまうのもわかりますが、たとえば、「最近、先輩が私ばかり注意するのだけど、嫌われてるのかな?」に対して「そんなことないと思うよ」とか「先輩は、そういうところあるんだよね。実は私もこの前ね……」といったような回答をしても、残念ながら相手には響きません。

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