ストレスを武器に変える「3つの具体的視点」 自分のストレス反応を分析していますか?
ストレスは、本当に大事なものを見付けるためのセンサーなのです。大事なものを守る反応が出たら、では自分にとっての大事なものはなんなのか、具体的に自身に問いかけてみてください。これが2つ目のステップです。
私自身を例にあげると、インタビューを受けていて、約束の時間が過ぎても質問を続けるインタビュアーに対して、ついムッとした顔をしてしまったとします。言うまでもなく、これはストレスへの反応です。
「自分はストレスを感じているようだ。ということは、今、自分の大事な何かが脅かされているということ。それはなんだろう?」
と考えてみると、どうやらインタビューによって本を読むための時間を削られているのがストレスのもとらしい、と思い当たります。
「知識の最大化」を人生の目的にしている私にとって、本を読んで勉強する時間は何よりも大事。その大事なものが脅かされたのだ、とわかるわけです。
どう対処すべきか
では、そこまでわかったら、どう対処したらいいのでしょうか。次が最後のステップ3です。
ストレスを、単にストレスの原因を見るだけでなく、自分の体に起きている反応も含めて客観的に意識し(ステップ1)、自分にとって大切な何が脅かされることによってストレスが起きているのかを考え、突きとめる(ステップ2)。
実は、ここまでのプロセスを経たあとは、すでにストレスはエネルギーに変わり始めています。その強いエネルギーを、どうやって使うかを考えましょう。ストレスのエネルギーを利用して、自分の大事なものを守るために何ができるのかを考えるのです。これがステップ3です。
先ほどの私の例で言えば、インタビュー時間が延びたことによるストレスのエネルギーをどう使えば本を読む時間を守れるのだろうか、と考えます。
ここで、イライラした気持ちをそのままふてぶてしい態度に表したり、非協力的になったりといった大人げない振る舞いをするのではなく、目の前のインタビュアーをなるべく早く満足させて、自分もさっさと家に帰って本を読む時間を確保するには、どうしたらいいのだろうかと考えるのです。
すると、「インタビュアー任せにしないで、この場を自分で仕切ってしまって、必要十分な情報を提供してインタビューを早く終わらせてしまうのがいい」と気付きます。そうすると、ストレスで作り出されたパワーを有効活用できることになるわけです。