ほうじ茶には「新茶」を使うことが少ない理由 意外と知らない、「日本茶」の基礎知識

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抹茶の点て方3 きめの細かい泡を目指す なめらかな泡がたったらOK。自宅で楽しむなら、最後に茶こしを通してダマを取り除いてもいい。泡は消えないのでご安心を

意外と知らない日本茶の基礎知識

1. 煎茶と紅茶はもとは同じ葉

琥珀色の紅茶と、綺麗な黄金緑色の日本茶は、もともと同じ種類の茶葉から作られている。収穫したての茶葉を新鮮なうちに蒸して酸化酵素の働きを止めたのが緑茶、摘んだ茶葉を揉んで葉に含まれた酸化酵素を活性化し、完全に発酵させたものが紅茶になる。烏龍茶も茶葉は一緒で、半発酵したもの。

お茶の新芽。これが緑茶、ほうじ茶、紅茶、烏龍茶など様々なお茶になる

2.煎茶と玉露との違いは育て方

高級茶として有名な玉露は、上品で豊かな甘みが特長。それは、茶葉を摘採する前に茶園を覆って、日光を遮っているから。旨味成分であるテアニンが増加し、まろやかな旨味のあるお茶になる。カフェインと葉緑素も多く含まれているため、美容にも効果が期待できると言われているとか。

美しい茶畑。茶葉は春から秋にかけて4回収穫される

3.ほうじ茶のカフェインが少ない理由とは?

立春から88日目(八十八夜)の4月~5月頃に収穫されるものが「新茶」、6月頃に収穫されるのが「二番茶」、7~8月頃が「三番茶」、9月頃が「四番茶」または「秋冬番茶」と呼ばれている。季節を経るごとに茶葉のカフェイン含有量が減少するので、ほうじ茶には秋頃の茶葉を使うことが多い。さらに炒ることで茶葉のタンニンやカフェインが少なくなり、渋みや苦みが少ない香ばしい味わいになる。美味しいほうじ茶は熱い熱湯で淹れるのがコツ。

赤坂 野瀬園 本店 1890年(明治23年)に赤坂で茶問屋として創業して以来、老舗の伝統を守りながらも、新たなお茶の味を追求し続けている。アークヒルズフロントタワーにある本店に併設されたカフェでは、本文でご紹介した特蒸し煎茶・抹茶をはじめ、美味しいお茶と甘味を楽しむことができる

(TEXT BY MIHO MATSUDA、PHOTO BY MANAMI TAKAHASHI)

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「HILLS LIFE DAILY」編集部

六本木ヒルズ開業の翌年に創刊された、都心エリアのためのライフスタイルメディア。都市生活者に向け新たな情報やトレンドを伝え、アイデアやビジョンを広く提案しつつ、東京という街のクリエイティブな可能性を高めてゆくことを目的としている。

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