ほうじ茶には「新茶」を使うことが少ない理由 意外と知らない、「日本茶」の基礎知識
暮らしを豊かにするアイデアを、ヒルズエリアのエキスパートに教えてもらう連載「Tips for Life」。今回は、知ってるようで意外と知らない日本茶の話。新茶の季節に、煎茶の美味しい淹れ方や簡単な抹茶の点て方、お茶のソボクな疑問を、アークヒルズフロントタワーにある明治23年創業の老舗、株式会社野瀬園の野瀬成夫社長に聞いた。
美味しい日本茶はペットボトルのお茶にあらず
「まずはこれを飲んでごらんなさい」と野瀬社長が手渡してくれた、煎茶のお椀。爽やかな煎茶の香りと、ふんわりとした甘さが口の中に広がる。
「これが日本茶の本来の味わいです。最近ではペットボトルのお茶も増えましたが、本来のお茶とはまた別物だと考えてください」
淹れてくれたのは、茶葉を贅沢に10g使った濃い煎茶。煎茶特有の苦味はほとんどなく、豊かな甘みと旨味を感じられる。
「日本茶の美味しさはテアニンです。テアニンは低い温度でも抽出できるのですが、渋みのタンニン、苦味のカフェインは温度が高くなると抽出量が増えるので、お湯の温度が70~80℃で一番バランスのいいお茶の味になります」
淹れ方だけでなく、深い味わいの秘密は茶葉にもある。