がん予防には「禁煙」「肥満対策」が欠かせない 自治体のがん検診は、ひとまず受けておこう
渡邊氏は「まず自分の考えや不安、迷いを率直にぶつけてみたらいいと思います」とすすめる。
「たとえば、患者の不安に対して『今はそんなこと考えなくてもいい』などとはぐらかしたり、一方的に結論を押し付けてきたり、患者を置き去りにして結論を急ごうとしたり……そんな気配のある医師は、少し考えてみたほうがいいでしょう。医師との関係は、治療のときだけでなく、治療後のフォローアップやその後のケアまで、長く続きます。コミュニケーションが大切だと思う医師は、多少時間を割いてでも疑問には丁寧に応じてくれます」
がんの治療に際しては、患者の不安や疑問に向き合い、きちんと寄り添って対話をしてくれる。そんな信頼できる医師のもとで、治療を受けていきたいものである。
がん治療については、手術、抗がん剤治療、放射線治療の、いわゆる三大治療以外の新しい治療法の話も聞く。進行した肺がんや悪性黒色腫など、これまで治療が難しかったがんに対して、2015年以降新しい免疫療法(免疫チェックポイント阻害剤)が行えるようになってきた。
以降さまざまながんの種類に対して、患者自身の免疫のメカニズムを利用してがんの進行を抑え込む治療が開発され、がん治療はこの数年、変わりつつある。
困ったときはセカンドオピニオンも検討
三大治療と組み合わせることで治療の効果を高める可能性もあり、期待は高まるばかりだ。しかし、切望されているからこそというべきか、中には根拠が定かではない、いわゆる「新治療」も多いことに気をつけよう。
「がんの治療は、複数選択肢がある場合であっても、間違った選択をしてしまうと、状態が変わって後戻りができないこともあります。必ず主治医に相談し、よくわからないときや困ったときは、全国のがん診療連携拠点病院でセカンドオピニオンを受けたり、拠点病院に設置されているがん相談支援センターに相談してみましょう」(渡邊氏)
次回の記事では、最善のがん治療について、東京大学医学部附属病院放射線科准教授・中川恵一氏に解説してもらう。
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