がん予防には「禁煙」「肥満対策」が欠かせない 自治体のがん検診は、ひとまず受けておこう
がんを発症するリスクの一つに喫煙(受動喫煙も含む)がある。帝京大学医学部准教授の渡邊清隆氏はこのように警告する。
「喫煙は、肺がん、首やのどのがん、食道がん、胃がん、肝臓がん、すい臓がん、子宮頸がん、膀胱がんをはじめさまざまな部位のがんのリスクを上げることがわかっています。また、たばこの煙には、約70種類の発がん物質が含まれています。受動喫煙は、肺がんの確立したリスク因子であることから、他人のたばこの煙を吸わない、煙を吸わせないことも予防につながります。現に、たばこを吸っているがん患者では別の新たながん(二次がん)が発生しやすいことが明らかになっています」
適度な体重の維持も重要
しかし、現役の喫煙者であっても、救いようがないわけではない。渡邊氏は「なるべく早い時期に禁煙を達成すればするほど、その後の発がんリスクを下げることがわかっています」と語る。
「食生活や運動習慣においては、運動で大腸がんのリスクが低くなることが確実と考えられています。飲酒については肝臓や大腸、食道がんなどのがんでリスクを高めることから、適度な付き合いが望ましいです。なお、喫煙者では飲酒量が増えると、さらにがん全体のリスクが高くなることがわかっており、心当たりのある方は要注意です。一方で、野菜や果物は食道や胃、大腸など消化管のがんのリスクを下げると考えられており、野菜や果物不足にならないことが大切です」
また、適度な体重の維持も重要という。
「過体重と肥満によって、食道、大腸、腎臓、子宮体、閉経後乳がんのリスクが高くなります。一方、やせすぎによるリスクも指摘されているので、適度な体型を健康的な運動と食生活によって維持することがポイントです」
無料会員登録はこちら
ログインはこちら