がん予防には「仕組みと原因の理解」が大切だ 「1億総がん時代」に覚えておきたい基礎知識
「『がんなんて他人事』と思っていませんか。実は、すべての人の体内に、『がんの元』があるんです」
こう話すのは、帝京大学医学部准教授の渡邊清高氏だ。東京大学医学部附属病院、国立がん研究センター勤務などを経て現職につき、特に患者とのコミュニケーションに重きを置いて診療にあたっている。
国立がん研究センターがん対策情報センター(2013年データ)によると、平均寿命が延びた今の日本では、生涯のうち何らかのがんにかかる確率は男性で62%、女性でも46%だという。男性であれば約3人に2人という、かなり高い確率でがんにかかるということになる。
「そのうちかかる病気」という前提で準備を
人口の大部分ががんにかかる「1億総がん時代」に、「がんは他人事」と信じて対策を考えないのは、あまりにも楽観的で、自分の健康に対して無責任ではあるまいか。
だからこそ、がんについては、予防の大切さに加えて「自分もそのうちかかる病気」という前提で、準備しなければならない。その備えがないと、いざ「がんです」と言われたときに、絶望の淵に落ち込んで何も考えられなくなったり、それこそあやしすぎる民間療法に引っかかったりしかねないのだ。
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